二人の高利貸しの21世紀 公演情報 二人の高利貸しの21世紀」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.4
1-5件 / 5件中
  • 満足度★★

    Bプロ観劇
    いまさらですが、
    ひと言で言えば不条理、宙に浮いた芝居だった。

  • 満足度★★★

    こんなにも違うのか、的な
    1,000万円という巨額の回収(しかも現金)を終えた2人の高利貸し(というより取り立て屋的な感じ)の中篇(50分程度)会話劇、チェルフィッチュ(未見)の岡田利規が前世紀末(←こう書くと大袈裟だな)に書いた戯曲を前川知大が脚色し、演出は各チーム(A~Dの4つ)の出演者自身が行なうという企画で、女性のみ(B:岩本幸子、伊勢佳世)と男性のみ(C:森下創、窪田道聡)ということだけでなくガラリと違った味わい。
    同じ台本を使いながらも人物のキャラが違っているのはもちろん、小道具の札束まで違っている(広告などを使ったものと色画用紙(?)を使ったもの)し、オリジナルは男性2人なのだろうが、部分的に女性の方が合っていたりもするし、もうこんなにも違うのか、的な。
    やはり「テキストに直球勝負」というA(浜田信也、盛隆二)、男女ペアのD(緒方健児、加茂杏子)も観るべきだったか。(通し券6,000円なんてのがあったら観たな、きっと)
    また、前説も他チームのメンバーが行う趣向で、Bは緒方健児がBチームから客に宛てた手紙を読み、Cは盛隆二が自ら描いたCの二人の似顔絵(けっこう上手い)を披露するという…これも楽しい。
    そんな内容といい、「ひみつ(←平仮名なのがミソ)集会」的な小規模の会場(笑)といい、何となく「ファンクラブイベント」のようなオモムキもアリ。
    なお、会場は11年前に劇団SEINの『MIDNIGHT RADIO STATION』(あぁ懐かしや!)を観に来た後に改装(新装?)されてギャラリーっぽく(実際ギャラリーもある)なっており…。

  • 満足度★★★★

    俳優自ら演出する自主企画が面白い。
    俳優さんたちが、自ら演出する自主企画好演。
    おなじ戯曲を、2人ずつのチームで演じます。
    会場も50人以下で、狭いながら舞台は目の前という贅沢。
    約1時間の公演ですが、面白くて値段も安くて楽しい企画です。

    21世紀を迎える瞬間に、ぼろアパートに借金取り立てにきた高利貸し2人組の物語。

    17時開演のBプロは、岩本幸子さん / 伊勢佳世さん出演の女性編。
    お二人とも普段と違う役の雰囲気が良かったです。

    19時開演のCプロは、森下創さん / 窪田道聡さん。
    セリフでは「ボストンバッグ」といいつつ実際は
    「アタッシュケース」だったり、
    劇中では重さが非常に重要な「アタッシュケース」を
    誤って蹴ってしまったりと、
    細かいところが気になってしまって、ちょっとだけ残念。

    共通して、無理やりな展開の脚本が、ちょっと私には
    合わなかったですが、楽しかった。

  • 満足度★★★★

    観てきました。
    本公演では見られない、役者陣の前説、公演終了後の挨拶などに好感が持てました。

  • 満足度★★★★

    Aプロ(浜田さん×盛さん)みました。
    チェルフィッチュの岡田利規さんが10年ほど前に執筆された戯曲、二人高利貸しの21世紀を前川知大さんが脚色し、イキウメの俳優陣が2人づつ4チームにわかれてそれぞれ演出プランを考えて発表する番外公演。
    なんでも勉強会から出発した自主企画だそうで、チケットもぎりや案内係をもイキウメの俳優陣自ら行っている手作り感いっぱいの公演でした。
    しかも開演前には普段滅多にお目にかかれない前座が、終演後には出演俳優から長めの挨拶があり、観客への感謝の意を表するとともに公演へのレスポンスを恐縮しながら求める姿には、演劇を通じてコミュニケーションを図りたいと願う痛切な想いが込められているようで印象深かったです。

    ネタバレBOX

    会場の入り口では伊勢佳世さんがひだまりのようにあたたかい素敵な笑顔で迎えてくださいました。
    前座は窪田さん。盛さん、浜田さんに頼まれて引き受けたそうです。
    今回の公演目的をざっくりと説明した後、一発ギャグのようなものを数回繰り返されて退場。観客を和ませるための配慮だったとは思うのですが、イキウメンの意外な一面を垣間見ました。

    さて、本編ですが舞台装置は非常にシンプルです。上手にドラム缶と古タイヤ。下手にベンチ一脚のみでストーリーは、タイトルの通り。高金利で貸し付けをしているふたり、アマノくん(盛さん)とヤグチくん(浜田さん)のお話です。
    借金を返せなくなったひとらの臓器を売りさばき、ようやく目標金額である一千万円に到達したのはいいけれど、勤務態度に関する相違から喧嘩になったり、かとおもえばいつの間にやら仲良しこよしになっていたり、二十一世紀になったら過去の産物になるものやら、神さまについてだとか、巻き上げた金を全部持ってトンズラしたいだのそんなとりとめのない事柄をそこら辺の適当な公園みたいなところでダラダラとお喋りをしているのを隣のベンチで寝たフリしながら薄目をあけて聞き耳たてて時折クスクス笑っているのが無性に楽しい。
    そんな、すこしふしぎ(SF)なお芝居だったとおもいます。
    劇的なことはもちろん何も起こりません。
    そういう意味では、サミュエル・ベケットのゴドーを待ちながら。なんかに雰囲気が似ているかもしれません。

    原作を読んだことがありませんので、どの程度脚色されているのかはわかりませんが、戯曲は”転機”をモチーフにしているそうです。

    ことの始まりとその予兆。何が変わり、何が変わらなかったのか考えた時、一番最初に浮かんだのがふたりの会話の最中で二十一世紀が訪れたことでした。しかし時代が変わったからといって、人間の本質は揺らぎません。
    げじげじむしが神さまになることも、神さまが増員されることも、ニセ札が本物になる望みも薄いでしょう。それでも信じる者は報われる説が新世紀でも濃厚で、そこにすべてを懸けてみるのなら今とは違った未来があるかもしれません。

    劇中、小道具が充実していて、モーリーこと盛さんが勢いあまって被ったヘルメットがなかなか外れなくてアタフタしているのが可愛らしかったのと、イキウメの本公演ではまずあり得ないような人物設定の盛さんの怪演を観れたこと、浜田さんがあどけなさの残るふしぎな少年チックでクリストファー・ロビンにしか見えなかったことも、番外公演ならではの醍醐味でした。

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