実演鑑賞
満足度★★★★
面白い、お薦め。㊗旗揚げ公演。
クリスマス・イブの一夜、アラフォー男4人の濃密な会話劇。舞台美術は剥き出しの角材で家屋の外形を、その室内はカラフルな色彩で作り込んでいる。何となくアンバランスな感じは、夢見る乙女ならぬ40代の不安定さと切なさが垣間見えるようだ。
会話は自分の方がマシな生き方をしていると思い、マウントを取り合うようにグサグサと突き刺さる言葉で責める。しかし、嘆く姿の中に不思議と痛々しい感じはなく、お互いトゲある言葉をスルッとかわしたり、無視するようだ。実に逞しい。
こんな会話が日常のことなのか判然としないが、少なくとも1人がこの暮らしから脱することを言い出したことから始まるトークバトル。各者各様で、今まで鬱積させていた思いを次々吐き出す。些細なことから今の生き方、そして将来どうするのかといった目的・希望まで幅広い話を繰り広げる。濃い話であるが、NO蜜<色恋話はなし>という乾いた内容で、面白可笑しさの中に相手を思いやるといった滋味ある言葉もちらほら。
因みに潤いは、水も滴るといった別のカタチで観ることになる。いろいろな言い分…この年代だからこそ 思うところがあるのかも知れない。
キャスト4人の確かな演技とバランスは、飽きさせることなく しっかり物語に引き込んでいく。この時期に相応しいのか、この芝居を肴にちょっと飲んで行きたくなるような…。
(上演時間1時間30分 途中休憩なし)追記予定