満足度★★★
小規模の職場の雰囲気をリアルに表現
長兄が社長、次兄が従業員(だがギャンブル好きでいい加減)で、末妹の夫が実質的に仕切る小規模なリネンクリーニング工場の人間模様を描いたもので、7年前の旗揚げ公演作品の再演とのこと。
工場とは別棟でカーテンで仕切ると更衣スペースになるロッカーコーナーもある従業員休憩所を表現した装置が、そのツクリだけでなく「汚し」も含めてリアルな出来なこともあって、小規模の職場ゆえに何かがあると気まずい感じとか、そういう部分まで心に直接響くように感じられる。
冒頭のシーンから末妹は亡くなっているのではないか?と誤読していたのでその後の登場場面で彼女は夫にしか見えていないらしいというのはすぐに察することができたものの、彼女が実は生きていて、という終盤では逆にビックリ(笑)
また、妻が入院まですることになったのは自分のせいと感じていながらもどちらかと言えばそれを受け止めるのではなくそこから逃げている感じの夫は、自分でもそちらに近いために(爆)その心境が非常によくわかって共感しまくり…(笑)
さらに、その夫婦間が修復できたか否かについては明確に示さず、その後のことは観客の想像に委ねる終わり方が巧い、あるいはズルい。(笑)
そういえば「自分に都合のイイ幻影を見る」系の芝居は今年に入ってこれで3本目。今年はコレがトレンドか?