満足度★★★
「カツドウ屋」の世界・心意気
ベテラン映画監督が急死しての通夜にプロデューサー、脚本家、カメラマン、常連の俳優が集まり、僅かに撮り残した最新作の今後についても検討し…な物語。
こことの出会いであった『ウェルズ』と同じ作家の作品ながら、監督の死因が死因だけにブラックな笑いも少なからずあり、オモムキはかなり異なる。(チラシにも「抱腹絶倒」なんてコトバがあったし)
が、中盤で監督の霊が登場してから終盤にかけての劇中劇(厳密には「劇中映画」?)と劇中現実が微妙にカブるあたりで伝わってくる根底に流れる「ナニカ」に共通するモノがあるようなないような…(爆)
また、「カツドウ屋」の世界・心意気を描きながらも、極めて演劇的な表現方法をとっており、終盤の構図の美しいことといったら。下手に立つ霊とほぼ中央で進行する映画のクライマックスにふりかかる花びらの図は一幅の画の如し。(見返り気味の霊に既視感があるのは何だろう?)