満足度★★★
140分の長さを感じさせないのはさすが
卒塔婆丸に乗った海賊たちが襲った商船には政略結婚を嫌がり嫁ぎ先に向かう道中で侍女と共に姿をくらませた水戸の藩主の娘(=姫)も隠れており、そのことが海賊たちに予測できない事態をもたらし…というアクション時代劇で、幕末秘話であったりもするという娯楽作。
姫を探す側にもこの騒動を利用して成りあがろうとする者がいたり海賊たちが根城としている島には土佐弁の男が漂着したりで様々な思惑が交錯し、どんでん返しを経て秘話が秘話のままに終わった所以まで語る波乱万丈のストーリー、時に殺陣も交えて140分の長さを感じさせないのはさすが。
ただ、冒頭で主人公側たる海賊たちが商船のクルーを斬っているのがちょっと気にかかる。抜け荷だったような気もするが、斬られて当然という悪人でもあるまいに。『ハムナプトラ』でも似たようなことがあったが、これってどうよ?
一方、姫と侍女のキャラクターが良く、それゆえ「実は…」の前後とも納得できるのが巧い。
また、慶応3年11月15日の「事件」を外側から描いたというか、「京都の近江屋でアイツをヤってきた」なんて台詞をサラリと入れるのにニヤリ。
しかし当日パンフの配役欄に「才谷梅太郎」の名前があるのはある意味ネタバレ。「漂着した男」程度にしておけば、オープニングで紋を見た時あるいは劇中で名乗った時に「お~~~っっ!!!」となるのに…