実演鑑賞
満足度★★★★★
中身が入れ替わってしまった”悪”と“ヒーロー”のその後
それぞれが模索する2つの流れ(生き方)
元ヒーローはさすがヒーローをやってきただけあって実直な行動
その一方で元悪の行動がちょっと薄気味悪く・・・
この2つの流れを見ていると”正義”“悪”といった概念が こんがらがってくるようで興味深く、2人の距離の間で飛び交っている見えない緊張感に惹きつけられます
そして事件から時を飛び越えること20年、自堕落オジサン(実は遠い過去にヒーローとの繋がりアリ)に降りかかる第3の流れ
この第3の流れが一番多くの笑いを含んで、更には作品の世界観がより立体的に
“笑い”といってもドタバタ系のそれではなく、登場人物達の人間性が醸し出す”笑い”なので、どちらかというと「ストーリーを楽しんでいるうちに結構笑っちゃってたね」的な面白さ
なので開演前にあった「声を出して笑ってくださいね」笑い押しのアナウンスはかえって違和感となり残りました
人は記号ではないし、今見えている姿が全てというわけでもない
自分の中で納まりの良い、自分に都合の良いモノの見方には気を付けないと…
笑いだけでなく自身にいろいろ問い掛けてくる公演でもありました
(こうして客観的に観ていても、なかなか難しい課題だなぁと思いますが)
ヒーロー、悪の怪人、自堕落オジサン、3者それぞれに流れの中心となって活躍されていたなか、それらを支える役者さん達の活躍っぷりといったら
アンサンブルが実に見事でした