実演鑑賞
満足度★★★
「青いサブマリン」を観劇。いつもは共鳴するところが多いマチルダアパルトマンだが今作はあまり響くところがなかった。90分休憩なし。
自分一人のことでさえ何事も決められないのに同棲する二人が将来のことを話し合うとなると気が遠くなるばかりだ。まあそういうところの展開は想像の範囲内で特筆することはない。そこに喜怒哀楽の激しい妹をスパイスとして入れるのは雑味が強かったが当然の構成だ。しかしお父さんらしきホームレスの登場はどういう意味があるのか全く理解できなかったし突然現れる大家の息子も謎だ。この息子とホームレスとの対比で世の中の格差が許せないなどという主張をこの作者がするはずもないし。
冷静になってストーリーを分析するとそういう不満があるのだが、その程度は面白おかしく演劇として実現して頂ければ、ああ満足満足となるはずだが今回はその方面でも好みが合わなかった。具体的には晋平君の驚いたり言葉に詰まったりするときの間の取り方にイライラした。当然、役者と演出家が練りに練ってこうなっているはずなので味噌味が嫌いで醤油味が好きだと言っているだけにすぎない。要するに私はリズム良く会話がポンポン進んで行くのが好きなのだ。我ながら単純だなあ。
会場の「BUoY(ブイ)」はグーグルストリートビューでは何の目印も見えないが「格式会社レインボー・デリバリーサービス」とある建物の向かって左側にある小さな入り口の地下にある。もちろん開場時は係員がいるのですぐに分かる。