アイ・アム・マイ・オウン・ワイフ 公演情報 燐光群「アイ・アム・マイ・オウン・ワイフ」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    刺激的で前衛的だが、格調も高い。
     吉祥寺シアターの会場に入った瞬間からこのドラマに魅せられた。ネタバレなのでここでは書かないが、こんな吉祥寺シアターの使い方観たことがないという見事なものだった。作品はオフ・ブロードウェイからブロードウェイに駆け上り、ロングランのあげくトニー賞からピュリッツァー賞まで受賞してしまったという作品。そう聞けば観ないわけにはいかない。こういう海外の話題作を燐光群がしっかりと紹介してくれることは大変うれしい。絶対に日本ではお目にかかることの出来ない芝居だ。

     オリジナルでは一人芝居だったものを、なんと16人で演ずるといったところも、面白い。と言っても登場人物は40人以上いて、16人でも足りないくらいなのだが。

     台詞がとても詩的なのだ。一人の台詞を何人もの登場人物で分散してしゃべるのだが、それが実に美しいのだ。

    古いレコードの音とともに、全編が美しく格調高い。

    ネタバレBOX

     あたかも秘密バーのような、あるいは公開番組の会場のような雰囲気の作り。それにより、劇場全体が舞台になっているところが見事。舞台の中にもうひとつステージがあるというそんな感じ。客席にあるテーブルもテーブルの上の写真もひとつひとつが凝っている。そして、開場した瞬間から役者が席に案内してくれる。ここら辺も秘密バーをイメージしているのだろう。とても素敵だ。

     役者の服装にも注目したい。全員が同じ黒っぽい衣裳なのだが、上は男性ぽく、下はスカートで、主人公のゲイを象徴している。

     随所に刺激的な仕掛けがあり、今まで観たことのない芝居を観たような喜びを与えてくれる。海外の現代劇に興味のあるひとは必見だ。

    0

    2010/02/14 02:24

    0

    0

このページのQRコードです。

拡大