実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2022/12/08 (木) 19:00
がん宣告され、100日後に死ぬと医者に言われた喫茶店の店長。SNSで配信する。
ただ、これ… 真っ赤な嘘!その嘘が拡散し、閑古鳥が鳴くぐらいいつ潰れてもおかしくないぐらい客の来ない喫茶店存続の為、マスターの知り合いの思い付きで始まったことだったはずなのに、尾ひれに尾ひれが付きまくって、もう後戻りできなくなるところまで追い詰められていく主人公の喫茶店の店長や、あくまで嘘を最後までバレずに医師の診断書まで用意して、用意周到に押し切ろうとする知り合いの半田など癖が強く個性的な登場人物が次々に登場し、それらの人間模様や騙し合いを徹底的にコミカルに馬鹿馬鹿しく描いていて、さらにノンストップで次から次へと息を吐く暇もないほどジェットコースター級に場面が展開され、ウクライナ侵攻の話題をネタにしたり、医師の不正ネタなど大いに笑えて、面白く、時々鋭く痛いところを風刺しているところにハッとさせられた。
喫茶店の経営のためとはいえ、嘘を突き通して、隠し切ることに不器用で、妙に人間味があって小心者の店長の性格に共感した。
また、小心者で大掛かりな嘘を付いたり、仮に小さな嘘でも付くことが難しく、物腰からして小物感が半端ない喫茶店の店長役の俳優のタカギマコトさんは、うだつが上がらず小心者だが、どこか憎めない感じが全体の雰囲気や喋り方などから滲み出ていて、良い味を醸し出していた。
広告代理店に勤める喫茶店店長の知り合いの半田役のKいちさんも、思い付いたら後先考えず行動し、呑気で軽〜い業界染まりした男を、雰囲気や大袈裟な所作や口ぶりなどから表していて、良い意味でアクが出て目立っていて印象に残った。
サツキ役の森崎りなさんの、情緒の振り幅の激しい感じも眼に焼き付いた。
中学生の梨花役の塚田光虹さんの少しひねくれて頑固なところがあって、思ったことを正直にズバズバ言う役どころをサラリと自然な演技でやっており、大人が制服着て演じているにも関わらず、全然違和感が不思議なくらい一切なかった。