河童と川邑家と何か 公演情報 劇団cMcc「河童と川邑家と何か」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

     極めて素直な脚本。今ここ迄捻らない作品は珍しい。

    ネタバレBOX

     物語は三部構成になっている。一部で過去、二部でほぼ現代(昭和後期から平成に掛けての頃か。この辺りの感覚は住んで居た地域によって異なろう)、そして近未来の三部である。ある一家の縁起を描いた作品だが、主題は、人工と自然である。現在、漸く人間という生き物が地球全体に与える悪影響が人口に膾炙するようになったが、当然既に殆ど手遅れである。自分は科学少年であったから10代始めには人間の発展に疑問を持っていた。それは必然である。当時、農薬がヘリコプターで山間、農地、河川近辺に撒かれ、あっという間に生き物の数(総ての昆虫類、貝類、魚類、鳥類、両生類、甲殻類、爬虫類等が激減した。種によっては十分の一以下になったという印象を持っている。これだけ野生の生き物に悪影響を与える農薬が人間にとっても良い訳が無い。そんな感覚が自然を観察するのが好きだった自分にはあったのである。今作は、にも拘らずヒトは自然を荒し遂には修復不可能なレベル迄突き進んでしまうことに警告を与える作品になっている。唯、その表現は具体的に自然と向き合ってきた人々と接し己の生き死にを賭けて紡がれたというより、間違いの無い基本的考え方を敷衍したレベルだとは感じた。更に作品を研ぎ澄ますには、実際に自然と向き合って暮らして来た人々に多く取材し現場の生の声を反映させる他あるまい、とは思う。

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    2022/12/07 00:42

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