火消しの辰と瓦版屋の娘【一部公演中止】 公演情報 劇団6番シード「火消しの辰と瓦版屋の娘【一部公演中止】」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    初日前日、高宗歩未さんが体調不良の為、降板。初日を潰して代役のエリザベス・マリーさんに一日で全台詞と動きを覚えて貰った。それだけでゾッとするシチュエーションだが、観ればエリザベス・マリーさんの役どころはかなりの出番。複雑な構成の為、覚える展開と掛け合いが多過ぎる。エリザベス・マリーさんは今回のことを「走馬灯に出てくる」と表現。言われなければ気付かない程、自然に舞台に存在していた。凄え役者がいるものだ。Respect。

    椎名亜音さんと鵜飼主水氏が主演の大江戸コメディ。二人はハイテンションで飛ばしまくる。役者陣が魅力的で贅沢。
    那海さん演ずる蟋蟀(こおろぎ)が巧い。作品を彩る風流さ、声の使い方が絶品。
    真野未華さん、近石日奈さんが可愛かった。
    千歳ゆうさん、若林倫香さんの笑いの味付け。
    藤沼美昇(みのり)さんのスパイスも効いている。

    高宗歩未さんバージョンも観たかった。

    ネタバレBOX

    『カメラを止めるな!』という大ヒットコメディ映画があった。始めは安っぽいゾンビ映画。それが終わるとメイキング宜しく舞台裏を紐解いてみせる。そこでありとあらゆるトラブルが巻き起こり、生放送の中、スタッフと役者はありとあらゆる対応で解決していく。観客の頭の中で先程のゾンビ映画の違和感が解けていく快感。
    この手の、作者の構想の執念に感嘆するジャンルは知的快楽に充ちている。今作の作家、松本陽一氏は『同時刻同時進行コメディ』と名付けた。

    今関あきよしの『タイム・リープ』、クリストファー・ノーランの『メメント』、アシュトン・カッチャー主演の『バタフライ・エフェクト』なんかは観終わった後、確認の為再生し直す喜びがある。古くはハインライン、広瀬正のSF小説の系譜。この手の作品が大好きな人にお勧め。

    欲を言えば巻き起こる事件にもう少し文学性が欲しかった。

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    2022/12/04 07:16

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