瞬きと閃光 公演情報 ムシラセ「瞬きと閃光」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★

    小口(おぐち)ふみかさんはコメディの方が水が合う。ルックスで損をしているのかも。
    渡辺実希(みき)さんはヴァンパイラ風、もろアニメキャラ。
    輝蕗(きろ)さんは篠原ともえを思い出した。
    元水颯香(はやか)さんはHKT48顔。
    加藤彩さんは楽園王のイメージが強いが、オールマイティ。
    土本燈子さんの佇まい、空気感はリアル。
    中野亜美さんはもっと複雑な役が似合う。ちょっと物足りない。
    土橋銘菓さんについての「野生の地下アイドル」という論評が絶品。

    『がっこうぐらし!』みたいなちょっとSFな日常系アニメの感覚。

    ネタバレBOX

    学校で度々目撃される眼鏡を掛けた男の幽霊。一眼レフのカメラを持って校内をうろつき、女子高なのに何故か「懐かしいなあ。変わってないなあ。」と卒業生のような口振りで大声ではしゃぐ。パシャリとシャッター音が光り、跡形もなく消え去る。お菓子やピザの差し入れもする。
    何の回収もない妙な話なのだが、彼が松尾太稀氏だということで公演後腑に落ちる。

    松尾太稀氏は所属していた劇団を退団したのち、今年5月主催者によるパワハラが原因でPTSDを発症したことを告発、話題になった。今作の出演を9月1日に発表し、9月14日に自死。脚本・演出の保坂萌さんは代役は立てず方法を変えて表現することを言明。
    成程、合点がいった。また作品の違う観方が可能。
    今年4月、劇団競泳水着の『グレーな十人の娘』で彼を観ただけだが妙に印象に残っている。

    正直、話も演出も好きじゃない。妙に長く引き延ばしている感じ。でも配役が凄い。これは同性だから出来る女性のキャスティング・センス。男じゃ絶対に無理だ。話のテーマは友達との仲違い、大好きだった人を傷付けてしまった後悔。どうにかもつれた糸を解きほぐして許して貰いたい、でも出来ない。自分の意固地なつまらぬプライドが何もかもを台無しにしてしまう。どうしたらいいのか分からない。そんな心を抱えたまま、皆大人になって素知らぬ振りで遣り過していく。そんな昔の話、とっくに忘れてしまったと。

    痛みを抱えたまま死んだカメラマンの女が、痛みを抱えて暮らす旧友の無意識の呼び掛けに応えて現れる。互いに思い知った真実は、「こんな痛みを抱える意味などなかった」。それを今生きる連中に伝えて仲直りさせる。「人生において本当に好きになれる奴とはそう何人も出逢えないんだ。大事にしろ!」と。

    カメラを通じて、世界と自分との関係性が変わる様を描写すべき。自分が失くなる瞬間。世界が失くなる瞬間。そこに生き死にのボーダーを絡ませるべき。

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    2022/12/04 00:18

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