シンクロナイズド・ガロア 公演情報 ユニークポイント「シンクロナイズド・ガロア」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    すっと重なる
    ガロアの時代の織り込み方が
    学生運動の時代に
    沁み入るむようで。
    二つの時代がしたたかに重なって
    広がっていきました。

    ネタバレBOX

    客入れ中に、
    その時代の録音風の会話が流れます。
    あの、テレビで時々流れる火炎瓶と放水のシーンとは
    ちょっとイメージの異なる淡々とした最後通告・・・。

    その呼び水があるから
    学生運動のさなかに芝居をするという雰囲気も
    なんとなく呑みこめて・・・。

    東大紛争の経緯も、
    ガロアの人となりも知らなかったけれど
    外枠をしっかり固める洪明花の狂言回しのうまさで、
    二つの革命の顛末がが観る側にピシッと重なります。

    その動機のピュアな部分、
    人々を巻き込む高揚、
    さらには革命を利用しようとする人の介在、
    革命の変容と収束・・・。

    舞台に設えられた建物内の梁や壁が
    そのまま黒板になって、
    冒頭に説明される数式の上に
    学生たちの思いが重ねられていく。
    チョークがボードに当たる音が
    場内に響き、想いは壁面全体に拡散していく。
    その書き散らされ方や音は、そのまま、
    ガロアが共和主義に惹かれていく内心にも
    等しく思えて・・。

    紛争のさなかに演じられるガロアの生涯が
    最後まで闘争を続ける学生たちの姿との
    したたかな表裏となって
    観る側にひとつの時代の様相を示し
    その意味を語りかけてくるようにも感じて・・・。

    ガロア役の女性を演じた宮嶋のお芝居には
    リズムがあって、
    定められた運命に思いを馳せるその刹那に瞠目。

    2台に渡る学長を演じた宍戸の
    お芝居の切れや
    体制側のしたたかさのデフォルメ具合にも
    秀逸さを感じました。







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    2010/01/29 07:06

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