満足度★★★
『銀河鉄道の夜』の夢
本作は『銀河鉄道の夜』を熟知していることを前提に作られた芝居だそうで、原作を知らない人には物語の流れがわかりにくいかもしれない。ということを書いた注意書きのような紙がパンフレットに挟まっていたので、それはそれで親切だなと思いました。私も決して『銀河鉄道の夜』について熟知しているとは言えず、ストーリーを思い出しつつ、「あてはめながら観る」という感じでした。
劇化されたものを数多く観ている人にとっては、原作をなぞるかたちの上演では新鮮味がないと判断されたのでしょうか。
ひとことで感想を表現すれば、私は『銀河鉄道の夜』の内容が出てきた“夢”を見ているような気分で、観劇前に想像していた内容とはだいぶ違ったものでした。
『銀河鉄道の夜』の世界を人形演劇としていかに表現するかということよりも、人形の遣い手にもスポットを当てたいという日頃の黒谷さんの想いがまさっているような印象でした。詳しくはネタバレで。
2010/01/29 21:51
2010/01/29 06:40
2010/01/28 07:22
2010/01/28 03:06
>上演する場所をきちんと選択すれば、大人も観劇に来るでしょうし。結城座のようにそうやって公演をされている劇団もありますし。
そう、会場にもよるのでしょうね。確かに人形劇=子供向けではないと思います。NHKの三谷幸喜の「三銃士」も大人に人気があるようですし。
腹話術はたしかに人間と人形が同等で、演劇に近いですよね。
文楽も世界遺産に認定され、最近は若い観客が多くなって、昔からのファンはチケットが以前のように買えなくなったって友人たちがぼやいてますよ。私も最近足が遠のいてしまいました。でも、名作のほとんどをいままでじゅうぶん観てきましたから、悔いはないですけど。
いまは近松門左衛門が人形浄瑠璃の作家だったことさえ知らない観客もいますが、文楽が残ったのは、やはり近松のような優れた作家がいたことが大きいと思います。江戸時代は社会的制約もあり、人間で表現しにくいことや、人形のほうが表現できることを近松は書いていきました。今後も人形演劇の可能性は無限にあると思います。