歌わせたい男たち【11月26日夜~12月3日公演中止】 公演情報 ニ兎社「歌わせたい男たち【11月26日夜~12月3日公演中止】」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    ネタバレ

    ネタバレBOX

    二兎社の『歌わせたい男たち』を観劇。

    解説:
    2005年の初演で物議を醸し出し、今回は再再演。
    国歌斉唱問題が取り上げられた時期と並行して作られたので、関心度と完成度で演劇賞を総なめしたようだ。
    14年たった今での受け止められ方はどうなのだろうか?

    粗筋:
    卒業式を2時間後に控え、シャンソン歌手・音楽教師のミチルはコンタクレンズを無くてしまいピアノが演奏出来ない状態だ。初の生演奏での国歌斉唱だ。国歌斉唱を拒否する生徒や先生が出ないことを願っている校長は、ミチルの様子伺いをする。それは昨年の音楽教師は演奏を拒否し、同じことがないことを願うばかりだ。国歌斉唱を拒否する社会科・拝島先生と校長が議論をするが平行線のままだ。彼も同じ考えを持っていたのに今では推進派だ。
    そんな最中、退職した桜庭先生が国歌斉唱反対のビラを巻き、警察が来てしまいてんやわんやだ。校長はとんでもない行動に出るのだが、果たして上手くいくのだろうか…。

    感想:
    歴史認識を踏まえた上で国歌斉唱反対を唱える拝島先生、その内心には同調するも賛成派の校長、歴史認識すらない他の先生と関心がないシャンソン歌手がどのように変わっていくのかが鑑賞点。観客もどれだけ歴史認識があるかでかなり見方は変わってくるが、そんな時はミチルと一緒に物語に入っていけば良いのである。
    物語の進行と共に理解が進んで行くと拝島先生の考えに行き着くか?校長の様に成り下がっていくか?と作家に問われるのは確実だ。そこで初めて今作への接し方が見えてきて、メッセージを受け止めることが出来る。鑑賞後の深い余韻が「我々はこれからどうするのか?」を考えるきっかけを与えてくれる。
    何故、ミチルはシャンソン歌手という設定なのだろうか?
    シャンソンは抵抗の歌なのである。
    これこそが真のアングラである!

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    2022/11/19 12:13

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