満足度★
作劇の意図が不明
こんな奇習があったりするよということを提示したかっただけ?と思ってしまう舞台でした。
一番印象的だったのは、セットと、皆さんの歌がなかなかお上手だなという二点。
とにかく、人物描写が通り一遍で、人物同士の関係性も表面的。
赤澤ムックさんは、作劇より演出に才のある方なのかなと感じました。
同じような題材の芝居では、以前、地球ゴージャスが、亡き本田美奈子さんを主役に据えて、桑田圭祐の楽曲を使用して上演したミュージカルの方が、ずっとエンタメ性も高く、感動作になっていました。
キャストも、演技者としての基礎力が不足している方が多いのか、よく台詞が聞き取れない部分が多いのも残念でした。
不思議な魅力のある、牛水さん、元子役の中里さん、屈折した女性を好演された佐藤みゆきさんの演技が印象に残ったものの、男優陣にはっきりとした個性がなかったのは、そこまで人物を掘り下げていない脚本のせいかもしれません。
2010/01/24 20:45
コメントありがとうございました。失礼ながらお返事はここのKAEさまのほうに書かせていただきます。
>観劇歴も、何と無く似通っているようで、勝手に親近感を覚えているのですが、感想は、同様の場合と、真逆の場合があり、いつも、コメントは控えておりました。
ただ、このキャルさんのご感想には、一字一句同意見でしたので、つい、同感ですと、名乗りを挙げに、出てまいりました。
私もいつもKAEさんのレビューを拝読させていただいています。確かに真逆のときもありますね。それはそれで興味深いです(笑)。この作品、わたくしも脚本的には★1つというのが実感です。設定はじゅうぶん面白く、役者もたくさん出てくるのに、不満が大きかったです。KAEさんが類似作の秀作例を挙げておられるように、同趣向で良い作品が存在するとやはり失望しますよね。たとえば、横溝正史も、設定が異様ですが、殺人事件の中に人間の葛藤を描いてるから面白いので、本作のように配役表の説明で補ってしまうというのはどうにも・・・?です。でも、あの説明がなかったらいっそう人間的に?になってしまいますね。このままの上演でもあえて今回「音楽劇」とうたわなくてもよかった気がします。カナリア派の音楽劇というと、もっとアングラ叙情的な作品を想像していたのですが。奇習とか女の業を描いたということなら昔、「かさぶた式部考」のような名作もありましたしね。本作は作家がアイデアに満足して終わってるような感がありました。以前のカナリア派作品についてみなさんがレビューで指摘していた欠点が、今回、実際に観劇してみて実感できた気がします。
これからもどうぞよろしくお願いいたします。