ガールフレンド 公演情報 国分寺大人倶楽部「ガールフレンド」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    発想も面白いけれど・・・。
    アイデアも面白いのですが
    そこからの展開が絶妙。

    単純な妄想・夢物語ではなく、
    もっと滴るものがたっぷりありました

    ネタバレBOX

    男どおし3人のクリスマスという
    なんともとほほなシチュエーションから
    妄想の彼女を存在させるに至るという
    そのは発想が
    そもそも凄いのですが、
    でも、発想だけでなく、
    そこからの展開にこそ
    作り手の才能が垣間見えます。

    それぞれの彼女との付き合い方が
    まるでうぬぼれ鏡に映ったキャラクター達の姿を
    あからさまに映し出していきます。
    すごく彼女のことに気を使っているように見えても
    そこから、見え隠れするのはやさしい男だと彼女に認識されたいという
    願望の表れだし・・・。
    クレジットカードの返済に追われながら、
    その現実から逃避した上に
    「いろいろと考えているんだ・・・」とか妄想の彼女に言わせて、
    自らを支えるその根拠がとてもプアーなのも
    すごく切なく可笑しくて・・。
    さらには
    モンゴル人の女性が隣に引っ越して来るという設定が
    「オチのようになっている」という発想が
    妙にまっとうに思えたり・・・。

    彼らが妄想のディテールに
    拍車をかければかけるほど、
    妄想が具現化すればするほどに
    その反対にある現実のどうしようもなさが
    浮かび上がってくるのです。

    部外者ともいえるバイト先の店長の来訪時に
    女の子たちが台所に押しやられる表現もうまいなぁと思う。
    彼女たちが暗い台所でたたずむ姿に
    現実と妄想の乖離の狭間での
    ぎりぎりの選択が感じられて。

    さらには
    架空の彼女の去の去り方からも
    それぞれの女性に対する温度というか
    コアにある女性観がしたたかに滲み出ていて
    その表現のしたたかに舌を巻きました。

    気持ちよいお片づけ(あれだけきれいになるとは思わなかった)後の
    最後のシーンも秀逸で
    男女を超えたどうしようもない満たされなさが伝わってきて。
    河西裕介の世界観の広さと
    イメージを具現化していく力を感じたことでした。

    そうそう、前回公演や15minutesを観たときにも感じた
    染み込むのではなく、ざらっと残るようなペーソスが
    今回はぐっと洗練されていたような気がします。
    前回公演でも
    客入れの音楽から、ミラーボールの使い方、
    さらには場面の転換にいたるまで、
    独自の色をしっかり打ち出せる
    強さを感じていたのですが
    今回の公演ではそこにデリケートさというか
    繊細が加わったように感じて、
    荒削りだったペーソスに細かい肌合いが生まれたような。

    なにか次の公演も、楽しみになってしまいました。




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    2010/01/18 22:33

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