EKKKYO-!(公演終了!次回3月[家族の証明∴]は1/30より発売) 公演情報 冨士山アネット「EKKKYO-!(公演終了!次回3月[家族の証明∴]は1/30より発売)」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    EKKKYOしている団体の濃すぎるライブにお腹一杯
    まるで、地下のライブハウスで、いろいろなバンドの演奏を次々観ているような感覚。
    演劇の公演というより、音楽のライブを観ている感じに一番近いと感じた。

    ライブハウスで、対バンが何バンドもあるライブでは、似たような匂いを持ったバンドを集める。そうしないとお目当てのバンド以外が楽しめないからだ。例えば、1バンドを観に来て、残りの対バンの3バンドが趣味にまったく合わなかったら、また次のライブに足を運ぼうとは思わない。
    また、そういう場では、新しいバンドとの出会いもあったりもする。

    持つ匂いが同じバンドというのは、何も同じジャンルのバンドとは限らない。極端な話、フォークとノイズなんていう組み合わせだってあり得る。
    いわゆる音楽ジャンルでは違っていても、持つ匂いが同じということもあるのだ。

    まさに今回は、微妙にジャンルは異なっていても、持つ匂いが似通っている団体の集いだった。
    そういう意味では、確かに「EKKKYO-!」なんだなと。

    ただ、それだけではなく、今回集ったのは、もともとジャンルだとか、イメージだとか、(暗黙の)ルールのようなものだとかを軽々とEKKKYOしてきている団体ばかりなので、そういう意味においても、「EKKKYO-!」だったのだ。

    そして、その集いは、私にはとても楽しめた。

    ネタバレBOX

    今回のこの企画は、興味のある団体ばかりが出るということで、ずいぶん前から気になっていた。

    ただし、各団体の持ち時間が短そうだから、いわゆるダイジェストを行う、ショーケース的なものになるのではないか、ということを危惧していた。
    とは言え、そのときはそれでもいいや的な感じもあった。
    ところが、実際感じたのは、単なるダイジェストでもなく、単なるショーケースということもでもなかったようだ。
    つまり、それぞれがきちんとパフォーマンスを見せてくれたように感じられたのだ。

    そういう感じも、ライブハウスでの音楽ライブに近い。例えば、5バンドが出る夜ライブだったりすると、1バンドの持ち時間はセットチェンジを含めて40分程度、ということは、演奏は正味25分程度だったりする。しかし、そこで演奏するのは、ダイジェストでもなく、ショーケースだけでもない。その限られた時間内に、バンドそのものを見せてくれるのだ。

    つまり、今回も限られた時間内で、その団体そのものを見せてくれたような気がする。

    今回パフォーマンスを見せてくれたのは、個性の固まりのような団体ばかりで、共通点と言えば、「アゴラ劇場」で上演したことがあるぐらいかなと・・・ライン京急は違うか。

    この団体たちの匂いに合わない人にとっては、約2時間の上演時間は拷問にも等しいものだったのではないかと思ってしまう。それぐらいキツい匂いだったようにも思える。

    私はと言えば、とにかくどれも面白く、ニヤニヤを顔に浮かべたりしながら観たりして、約2時間の上演時間はまったく長くは感じなかった。

    今回、出てきた団体は、動きもそうなのだが、より「音〈サウンド〉」にこだわりがあり、それがパフォーマンスの柱になっていたように感じた。
    「音」とは、音楽だけでなく、台詞の重なり合いや声質、足を踏みならす音も含めてのことである。

    〈ライン京急〉
    音楽だけではなく、台詞もサンプリングとして、スクラッチさせたりしながらコラージュしていく。
    台詞自体も話の逸れ方が、まるでスクラッチのようで、意味のない靴下の取り扱いや動き、スタイル、ダンス的な動き、影までもが、インスタレーションを観ているようで心地よかった。
    台詞を言う、男性のふらふら感が良く、自然体の演じ方がよいなあと。
    そして、全体は、ひとつところにとどまらず、実にうまく構成されているなあとも感じた。

    〈ままごと〉
    2人の女性のかかわりを時間軸を前後させながら、3人の女優が、そのポジションをめまぐるしく変えながら演じる。
    まさに、人的スクラッチ&コラージュの極地。
    まったく外見も雰囲気も異なる3人が、年齢が異なったりもする2人の人物を、それぞれ瞬時に演じ分ける凄さには舌を巻いた。
    小学生の頃からの付き合いで、いつも自分の前を歩いていた友人の人生が、ふと断ち切られてしまったという物語は、かなり切ない。
    今OLになっている彼女は、地球上にすでにいない友人の引力に今も強く引かれているのだ。

    〈CASTAYA Project〉
    何を見せてくれるのか期待が高まったが、「これから演劇を始めます。」という字幕でわかってしまった。「ああ、誰も舞台に現れないのだな」と。
    たぶん、その字幕だけで持ち時間が過ぎていくのだろうと思ったが、結構字幕で楽しませてくれた。そういう意味では想像していたより普通だったかもしれない。
    ただ、最初の何も起こらない時間にイライラしていた人もいたようだったので、それはそれでOKだったのだろう。
    ECOの字幕にはニヤリとしてしまったし、なんか読んだことがあるような長い字幕だなと思っていたら、アノ歌の歌詞だったりと、そのメッセージのようなものがどこまで本気なのかと考えると、さらにニヤついてしまった。

    CASTAYAは、最初のアレは確かに衝撃的だったけど、後はその余韻のようで、こねくり回している感じしかしないし、予想がつくのが哀しいし、悪のりだし、おふざけがすぎるけど、許す。まだちょっとは面白いから許す・・・って何様発言(笑)
    どこまでこのスタイルでいくのか興味津々。ネタ切れして、徐々にフェードアウトしていくのも、もののあはれとぞ思ふ。

    〈モモンガ・コンプレックス〉
    カーテンコールの宴会芸のようなものが前半。とは言え、それには結構笑ってしまった。
    後半のエネルギッシュなダンスは見事だった。地に足がついたというか、「存在」を強く感じるダンスだったと思う。
    オープニングとエンディングの、変なゆるさも好きな雰囲気だった。

    〈岡崎藝術座〉
    リーディング・ロック・ミュージカルとでも言うのだろうか、3人の登場人物がスティーブン・タイラーさながらに(笑)、宇宙から帰還する宇宙飛行士たちを歌い上げる。歌は下手だけど(笑)。
    3人がそれぞれマイクの前に立つ様子や、曲間のMC的な雰囲気は、やはり音楽のライブを彷彿とさせる。
    イマドキやるか? なスターウォーズっぽいオープニング字幕といい、宇宙飛行士たちのワケのわからない性生活の葛藤など、どーでも良さが爆発していた。
    まるで感動的風なラストも、まったくしょーもなくて、素敵すぎる。
    雑な感じがとてもいい。
    エアで宇宙服のヘルメットを小脇に抱えている姿と敬礼がちょっとツポだった。

    〈冨士山アネット〉
    家族がテーマのパフォーマンス。
    動画カメラの使い方が面白かったが、なんと言っても、そのダンスのキレや運動量に目を奪われた。凄いなあと単純に思った。格闘的な様は、ちょっとジャッキー・チェンを思い浮かべてしまったが。
    次男が鼻歌のように歌う「ラヴ」がバックにあり、その次の歌詞が記憶から出てこないのがテーマでもあるように思えた。家族への不満を挙げていた次男にだけは、それがわからないのだ。


    終わってみれば、どの団体も楽しめた。
    そして、どの団体もまた観たくなった。
    中には、正直キツイなあ、という団体もあるのだが。

    て言うか、これぐらいが適当かも。各団体の持ち時間が90分とか120分とかで、朝から1日中やっていたのならば、行くのをためらったような気がする。酷い胸焼けになりそうだから。

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    2010/01/18 06:17

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