実演鑑賞
満足度★★★★
宮沢賢治「銀河鉄道の夜」の設定と精神をベースに21世紀のイマの要素を取り入れた意欲作にして秀作。
原典から途中乗車してくる鳥捕りと兄妹が引用されるが、兄妹の翻案ぶりが現実で地球上で起きていることを踏まえていて秀逸。
また、原点のジョバンニとカムパネルラに相当する大切な人を喪う人物を二組登場させて一方は比較的原典に近く、もう一方は「ある意味で逆かつ新機軸」なことにも舌を巻いた。さらに終盤で明かされる本作における銀河鉄道の種明かし(?)もいかにも現代的で見事。
あと、原典に出てくるフレーズを何度か使い、最終的に主人公がそれに気付くのも原典ファンとしてたまらなくステキに感じた。
原典を好きであればあるほど楽しめるのではあるまいか?(もちろん原典を知らなくても楽しめるだろうが)