公演情報
「まなつぼし」の観てきた!クチコミ一覧
実演鑑賞
満足度★★★
10月23日午後、新宿のサンモールスタジオで上演された東京ノ温度第十八回公演『まなつぼし』のうち「なつ」ぐみの千穐楽を観てきた。これは、知人の役者・水野以津美が出演してた関係からである。
この作品は5年ほど前に初演された作品で、その時水野以津美は主役の板東優子役だったそうだが、その公演を自分は観ていない。今回はその再演で、全役ダブルキャストでの上演と言うことで、水野以津美は今回豪華寝台列車「まなつぼし」のコンセルジュ鈴木くれあを演じていた。
舞台は、板東優子が乗った「まなつぼし」がどう言うわけか地球を離れ天空を走行し、自分の妹や高校の同級生をはじめとした死者達と一緒に星座間の旅をするというもの。しかし、その死者達はサザンクロス駅でみんな下車していく。というか、下車することで板東優子はその人達が実は現実には死んでいるということを理解する。やがて「まなつぼし」は何事も無かったように地上に戻ってくる。列車の車掌もコンセルジュも天空を走行していた記憶を持ち合わせていなかった。まるで板東優子だけが夢の中で体験したような出来事だった。
この舞台、何と言っても板東優子役が最も重要な役どころで、「なつ」ぐみでは辻美優が熱演。個人的に存在感を感じた役者は彩雪かも知れない。
コンセルジュ鈴木くれあを演じた水野以津美、さすがに2回目の出演だけ合ってしっかりとした演技団亜用に思う。
黒田和宏の演じるただしと井上涼賀の演じるカオルのカップルは、昭和20年頃の雰囲気を上手く醸し出していた。
そのほかの出演者もなかなかの熱演。
ちなみに、この作品の題材は宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』だそうだ。
実演鑑賞
満足度★★★★
宮沢賢治「銀河鉄道の夜」の設定と精神をベースに21世紀のイマの要素を取り入れた意欲作にして秀作。
原典から途中乗車してくる鳥捕りと兄妹が引用されるが、兄妹の翻案ぶりが現実で地球上で起きていることを踏まえていて秀逸。
また、原点のジョバンニとカムパネルラに相当する大切な人を喪う人物を二組登場させて一方は比較的原典に近く、もう一方は「ある意味で逆かつ新機軸」なことにも舌を巻いた。さらに終盤で明かされる本作における銀河鉄道の種明かし(?)もいかにも現代的で見事。
あと、原典に出てくるフレーズを何度か使い、最終的に主人公がそれに気付くのも原典ファンとしてたまらなくステキに感じた。
原典を好きであればあるほど楽しめるのではあるまいか?(もちろん原典を知らなくても楽しめるだろうが)