実演鑑賞
満足度★★★★★
2015年初演の舞台映像は、門真国際映画祭2020舞台映像部門で優秀作品賞はじめ4つの優秀賞を受賞…この舞台の映像はどのように映っているのだろうか。「再演を望む声も多かった『狼少年タチバナ』を、キャストを一新して7年ぶりに上演」、その謳い文句から、自信作ということは分かったが、なるほど 力作であった。
当日パンフに主宰で作・演出の渋谷悠氏が「嘘と事実をごちゃ混ぜにされるのが一番タチが悪い。自覚がないなら猶更のこと。そこに悪意はない。しかし被害はある。この物語はそんな人物と接した僕の実体験から生まれた」とある。それだけにリアルであり、舞台としての力強さ芸術性を高めた原動力があるようだ。
少しネタバレするが、嘘の力と信じ抜く力は 何度も嘘をつく男とそれを最後まで信じようとする男の友情のよう。ラスト、2人の男の悲哀でもあり滑稽でもある人生模様がしみじみと描かれていることに気づかされる。これはウソではない。
(上演時間2時間10分 途中休憩なし)