南極ゴジラの地底探検 公演情報 南極ゴジラ「南極ゴジラの地底探検」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★

    主人公、球李役の瀬安勇志氏が知り合いにそっくり。中村勘九郎っぽい美男子。ヒロイン、星役は端栞里(はたしおり)さん、功夫少女っぷりがイカしてた。愛犬アイロン役、瑠香さんは地下アイドル系山本彩、ルックスが目立つ。望まれる絵の描けない金飛来(キム・ヒーライ)役の古田絵夢さんはネガティヴなAI役が嵌まっていた。

    関西弁が痛快で絶頂期の『SFマガジン』を捲っているような爽快感。筒井康隆の『チューリップ・チューリップ』など懐かしくも胸を熱くした古き良きSFの興奮を想起。
    『地球空洞説』から始まり、『月世界旅行』まで。ブラウン管の古いテレビ、大小四台がタイトルを映し出し大活躍。
    コント集と云うよりも散乱した断片が脈絡なくばら撒かれていく。

    謎のメロディー(『未知との遭遇』調)を解読した冒険家達は、それがある座標を示すことに気付く。新宿の廃墟となった公団住宅の地下に巨大な穴を発見。探検隊を組織して降りていくことに。『地球空洞説』を裏付けるかのようにマントルはなく、未知の世界が広がっていた。

    ネタバレBOX

    地球の内部は同心円状にパラレルワールドが幾層にも重なっている。実は月こそがその世界を繋ぐ穴で、月を突き抜けると外の層の世界へと移行できる。無数の並行世界で共通していることは球李と星が互いを好きになる事だけ。地球の内部からマグマが噴き出し、内側の世界からどんどん滅んでいく。皆は外側の世界へ脱出しながら、この世界を救う方法を探す。

    笑いがイマイチ振るわない。劇団系のノリが続くのでぼんやりと観てしまう。突然ガラッと別の話に変わるのだが、何かどれも掴みが弱い。脚を壊したアイススケート選手の転校生・星と毎日マラソンを続けている球李の仄かな触れ合いのエピソードだけが詩情豊かで絵になった。クライマックスの砲弾の中、電気を起こす為にバンドでアイロンが歌う曲も良かった。

    上手くいけば『インターステラー』になれたネタ。ふざけた御都合主義的なキャラと展開ばかりで作品世界にのれないのは残念。配分が悪い。何処か純粋なジュブナイル要素が芯としてあった方が感情移入出来た。作家の本音が欲しい。

    0

    2022/10/29 10:20

    0

    0

このページのQRコードです。

拡大