満足度★★★
あともう少し…
全体としてこの物語りで何を伝えたいのかは、伝わってきました。
乙姫の一途に恋する気持ちには感情移入できたし、随所できらめく詩的な言葉も考え深く、とても素敵な舞台でした。
ただ、死に神と乙姫、死に神と太郎、過去と現在などなど、詰め込みすぎて何が主軸かということがあまりはっきりしないように思います。
もっと物語りをストレートに享受したい!と俗物な私は思ってしまいました。
見終わってから三日も立とうというのに、なかなかこの舞台のことが頭から離れません。多分、この舞台の中の台詞を思い出して自分の人生の糧としていくぐらいにはまってしまいました。
それだけにこのお話しをもっと理解出来たら楽しかったのに(←当方の理解力に問題ありかもですが)!という悔しさがあります。
次回の公演に期待します!
長文、失礼しました!
2010/01/08 14:05
2010/01/01 18:10
劇団員の正宗史子です。
このたびはご来場、そしてコメントとどうもありがとうございます!
物語に関してこうしてコメントをいただけるのはとても嬉しく感じます。
とても痛いところを突かれてしまっているなと正直言って思います。
「見終わってからも頭から離れない」というのは、最も嬉しく感じるもののひとつです。
2つ前の本公演に「月が、」という作品があるのですが、その公演の時に私の場合は同じお言葉をお客様から初めて頂きまして、
それ以来、ずっと心に残り続けている言葉でもあります。
しかし「頭から離れない」ことの理由のひとつに、<悪い消化不良を起こしてはいやしないか>という答えや不安も、考えてみれば常によぎりますし、
こうしてご指摘いただいている以上、それは起こっているものと思います。
作り手の傲慢な欲求、自己満足に終わらないような境地というのは難しいと感じます。
思えば思うほどもしかすると逆に深みにはまってしまうのかもしれませんが
けれど紙一重の差なのに、
その1ミリの隙間はマグマに達するより断然深くて、私には底が見えないように思われます。
どんな公演、どんな作品に携わっても、いつも思うことです。
個人的な欲求を解消するためではなく、空間に居るもの在るものすべてがどこかスッキリしたり、激情に駆られたり、なにか共鳴できれば・・。
観客席により近いところを目指して、これからのお芝居にも携わろうと感じました。
是非また、劇場でお会いできればと思います!
このたびのご来場、ありがとうございました!!