天の空一つに見える 公演情報 髙山植物園「天の空一つに見える」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    共感できる部分が多かった
    2009年初めのこのレビューを書いておきたくて団体検索したら
    なぜかうまく出てこなくて、あきらめかけてたら、しのぶさんの
    ブログからたどり着けました。
    久々の活動再開だったようですが、私は初見でした。
    以前、「女相撲」のドキュメンタリーを観て興味を持ったことが
    あったので、題材に惹かれて、立地上わが家からは遠いので
    ふだんはなるべく避けているアトリア春風舎に出向きました。
    高山さんの作風はやはり青年団っぽいなあと思いました。
    言葉ではうまく言い表わせないんだけど、青年団のお芝居には
    開幕前、舞台装置の前に来ただけで「青年団バリア」という目には
    見えない空気のようなものが感じられ、お芝居が始まると「大好き」
    と思う人と、「どうにも受け付けられない」という人に分かれるようです。
    平田オリザさんの学友で、私に初めて平田さんのお芝居を教えてくれた人が、のちにこれと似たことを語っていました。
    だから「まず、とりあえず観てみて。合わなかったら引き換えしていいよ」
    って、その人は誰に対しても言うのだそうです。青年団のお芝居に出てくるような静かな微笑をたたえた人でした。
    高山さんのこのお芝居も青年団の色を持ちつつ、人間描写が自然で丁寧で好感がもてました。

    ネタバレBOX

    「女相撲」というので、女優が肉じゅばんを着てデブの役で登場するのかと思ったら、細い人がほとんど。相撲というよりママさんバレーみたいな雰囲気で「あれれ」って。で、親方はせめてデブかと期待したら、およそ相撲なんかやりそうにもない細男。台詞によれば、イケメンという設定。
    パワフルでコミカルな芝居ではないところがやはり青年団系らしい。
    妻を亡くした親方を囲む女弟子たちの様子を見ていると、これとよく似た状況の日本画教室の先生と生徒のことを思い出してしまった。私は生徒ではなく、部外者として話を聞く立場だったが、入り込めないような空気が支配していて、しかも寡夫?という特殊な立場の指導者を囲む女の生徒や亡くなった奥さんの妹がいる状況はそっくりで、女の心理戦みたいな物が存在した。
    自分がカルチャー教室に入りたくないのもこういう人間関係の空気が苦手だからだ。
    しかし、この芝居は女の心理戦が主眼ではなく、「死者への思いや残された者の痛み」で、経験があるだけに感情移入して観る事ができた。加えて「土俵と女性」についての問題も語られ、そのころ連載で読んだ内舘牧子の大学院での研究についての記事なども思い浮かべながら興味深く聞いていた。
    最後の場面にも精神的な神聖なメッセージが感じられ、不思議な余韻が残る作品だった。
    高山さんは寡作の人なのだろうか。また観てみたい。

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    2009/12/30 17:55

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