SessionYoshiya・語り 公演情報 かわせみ座「SessionYoshiya・語り」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    ㊗創立40周年公演。
    「かわせみ座」公演は、たぶん初めての観劇だが、人形と人間が織りなす壮大・深淵な物語に上演時間を忘れるほどだ。が 少し気になったことが…。何か違和感のようなものが残ったが、帰り際にスタッフに確認して納得した。

    アンコール…薄暗い中で 白い羽が舞台空間を自由自在に飛び回る、その優美で幻想的な光景にウットリする。そして谷川賢作さんが これでお仕舞いと告げる。舞台には演じてくれた人形が並んでいるが、そのうちの一体が登場していない。何故という疑問、それが少し気になったので、思い切ってスタッフに聞いてみた。毎回内容が異なり、操演する人形も違うという。登場しなかった人形は「森の妖精」というらしい。あぁ、人形にも名前というか役割を表す名があったことを改めて思い出した。人間同様、一体一体に個性や役割があるのだ。谷川さんが内容・粗筋のようなものは用意していないと説明していたが、せめて今回観(登場し)た人形の名を知ることが出来れば、想像力に羽ばたきが出来たかも知れない。そう、当日パンフにあった「何もない舞台が、果てしない空に海原に、そして森になる。あなたの想像力の翼で、軽やかに宙を舞い、身をゆだねたゆたう」ように…。
    (上演時間1時間30分 途中休憩なし)

    ネタバレBOX

    上手に姿・形の違う人形が(吊り)並んでおり、下手は演奏スペース。観た回 パンフレットでは、谷川賢作氏(ピアノ・作曲)、高瀬”makoring"麻里子さん(うた、朗読)、大坪寛彦氏(ベース)となっていたが、もっと多くの役割を担っていた。というかご本人も楽しんでいるように見えた。その様子が観客にも伝わり、公演全体が優しく温かい雰囲気を漂(ただ酔)わせていたような。

    名前は分からないが、童女・一角鬼・木馬・少女・(狐顔の)龍のような・熊(ぬいぐるみ)・老女・河童・アバター女(ネイティ)・箱の少年・天使(全て自分のイメージか人形の姿から勝手に命名)が、山本由也さんに操られ次々と登場する。「操られ」と言うと語弊があるかもしれない。薄暗い中、人形に光が照らされ、命(魂)が吹き込まれたかのように動き出す。勿論、本体だけではなく手指や足先の細かな動き、目が開き表情が作られる。例えば童女であれば、可愛らしい仕草や飛び跳ねるような動きをする。それは他の人形にも同じことが言える。そして光が消えると眠りに入るかのように元の場所へ戻っていく。

    当日の演奏者は、単に楽器の演奏や歌を歌うだけではない。人形との掛け合いをすることによって、物語の世界を広げ深堀するような役割を果たす。歌であり語りでもある。演奏は谷川さんのシンセサイザー、大坪さんのベース、そして高瀬さんは歌と小物アンサンブル(楽器)で色々な効果音を奏でる。勿論 3人のハーモーニーは見事で、人形の操演と演奏のコラボレーションを楽しんだ。谷川さんが悪ふざけをしたと言っていた 河童の操演、酔った動きに合わせた某日本酒メーカーのCMソング、良し悪しはあっても人生に酒はつきものか?そう考えれば、(順序不同であるが)登場する人形を人間の人生に準えた物語であったのだろうか。

    箱から出てきた小人サイズの少年、舞台だけではなく(最前列=指定席の)観客の頭を撫でたり、寛いだりするといった客弄り(サービス)に笑いを誘う。何となく正月や祭で獅子舞に頭を噛まれたり、頭を撫でると知恵が付く縁起物を連想した。その表現は人形操演という見事な演技(技術)だけではなく、いかに観客が楽しみ喜んでもらえるのか、を考えたもの。
    次回公演も楽しみにしております。

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    2022/10/22 08:26

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