高円寺が踊る 公演情報 東京高円寺阿波おどり演劇公演「高円寺が踊る」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★

    素晴らしい。これを無料で観れたなんて杉並区は太っ腹。阿波おどりにも高円寺にも何の思い入れもなかったが、ラストは郷愁たっぷりに見入った。池亀三太氏は流石の仕事をした。記憶の断片が降り注ぐ中、優しかった人、あたたかかった人の温もりだけが胸を衝く。

    1957年、高円寺を盛り上げる記念行事の企画会議。自転車屋の銀次郎(中島多朗氏)が中心となって、踊りながら通りを練り歩く徳島名物の阿波おどりを開催することに。行きつけの居酒屋の娘、智恵子(松本みゆきさん)への秘めた想い。回を重ねる毎にどんどん盛り上がっていく『高円寺阿波おどり』。遂には海外のイベントにも招聘され、国を代表する民族舞踊として世界的評価を得るまでになる。昭和平成令和、一家三代の高円寺物語。

    ネタバレBOX

    銀次郎と智恵子は結ばれ、将太(あらおえみりさん)と葉子(小久音さん)が誕生。中三の将太は父親に抗い子供の頃からやっていた阿波おどりを拒否する。

    京都の大学に行き、そのまま就職した将太(日下諭氏)は八ツ橋をメインとする和菓子屋の娘、百合(中坂弥樹〈みき〉さん)と結婚することに。久方振りに実家に帰省し、銀次郎(伊藤嘉信氏)、智恵子(やすみきよこさん)に紹介。そこで離れて初めて分かる、阿波おどりへの愛着を自覚。

    結婚し高円寺に帰った将太と百合、麻美(小池舞さん)と久美(樋口双葉さん)を授かる。だが百合は思わぬ病で早逝。銀次郎も老衰で世を去る。
    銀次郎の葬儀の後、智恵子が麻美に思い出話をするところから舞台は開幕。

    ラストは現在、軽い認知症に陥った智恵子(やすみきよこさん)は若い頃の自分(松本みゆきさん)と会話をしている。数々の胸に刻まれたシーン、シーンが再現されていく。記憶の雨に打たれて立ち尽くす智恵子と観客。そこに本物の『高円寺阿波おどり』の一団が踊り始める。「楽しかったなあ。退屈なんてすることはなかった。」と笑顔。

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    2022/10/13 23:48

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