シャイヨの狂女 公演情報 劇団つばめ組「シャイヨの狂女」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★

    鑑賞日2022/10/08 (土) 13:00

    まずチラシに目を奪われた。上半分に女性の横顔、下半分にはエッフェル塔をバックにヒトラーを中心にしてナチスの一団が配置されている。どういう物語が展開するのかワクワクさせる。
    ジャン・ジロドゥの作品は8月下旬にシアター風姿花伝で人間劇場という団体の「トロイ戦争は起こらない」という秀逸な上演を観たばかりであり、またこの「シャイヨの狂女」という作品は第二次世界大戦時にドイツ軍占領下のパリで書かれたジロドゥの遺作だということもあって、4年前には「ジャン・ジロドゥの思い出」という作品を上演したつばめ座だけに、大いに期待していたのだが、その分失望も大きかった。

    (以下、ネタバレBOXへ)

    ネタバレBOX

    開演と同時に暗い中で池袋駅のホームの放送が流れる。そして明転するとパリにあるカフェの中である。この池袋駅の放送は何だったのか、最後まで説明がない。これから始まる物語が現在の日本にも繋がっているのだと示唆したいのかもしれないが、無意味な冒頭としか思えない。

    パリを舞台にした物語自体も、暗喩や諧謔が多く用いられているのであろうが、よくわからないし、戯画化しすぎている。
    また、この狭い空間でどうしてああものべつまくなしに大声を出す必要があるのか。ただただ、けたたましいだけで、かつそれに加えて台詞をかむ役者が散見されるので、煩わしい。前方列の客席の人はたまらなかったろう。

    もともとジロドゥの戯曲は反リアリズム的な要素が強いのだが、それにしても潤色(仲条裕)のし過ぎだろう。

    「恋はみずいろ(L'amour est bleu)」という曲が劇中に大きな意味をもって登場するが、この曲はポール・モーリアの編曲・演奏によってわが国でも大ヒットしたが、そもそも歌手・ヴィッキーのデビュー曲としてオリジナルが発表されたのは1967年であり、1944年1月に死亡したジロドゥの作品に登場できる訳がない。オリジナルの戯曲では何の曲だったのか。「恋はみずいろ」に差し替えたことで本来のジロドゥの意図を曲げていた可能性すらある。

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    2022/10/11 12:31

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