ロミオの代わりはいくらだっているし、ジュリエットの代わりだって腐るほどいる 公演情報 掘出者「ロミオの代わりはいくらだっているし、ジュリエットの代わりだって腐るほどいる」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    誉め言葉としての「いやな質感」
    なにせルデコですから、
    役者達の醸し出す質感が
    どんどんと観る側にしみ入ってきてきます。

    こういうねじれ方って
    とても「いやな感じ」ではあるのですが
    目をそむけることができない。
    というか、その密度に裏打ちされた質感は
    お芝居を観る側にとって
    ある種の魅力であったりもして・・・。

    終わってみればなかなかに
    見応えの感じる作品でありました。




    ネタバレBOX

    それぞれのキャラクターには
    何かが欠けている・・・・。

    何かに憑依するように表れていくキャラクターのアンバランスさが
    すごくなめらかで、
    しっかりと見る側の眉をひそめさせます。

    自分を特別だと思うことへの行き詰まり感や、
    自分の側に相手を引きずり込もうとするエゴ、
    自分がかわいいだけの甘えや、ずるさ。
    その行き場のなさが、
    やがて「母」と表現されるひとつの場所に吸い寄せられていく姿に
    思わず目をみはる。

    いやな気持ちで舞台を観ているからこそ
    その場所の居心地のよさが観る側にはっきりと感じられるのです。
    なにか恐いのだけれど、わかる。
    わかるのがいやなのだけれど、伝わってくる。

    空気を醸しだすためのレシピの秀逸さと
    それを具現化する役者達のお芝居の緻密さを
    たっぷり味わうことができました。



    0

    2009/12/18 14:38

    0

    0

このページのQRコードです。

拡大