実演鑑賞
満足度★★★
鑑賞日2022/10/08 (土) 19:00
座席1階
昨日に続いて下北沢へ。今日はもう一つの演目「仮説に、ゆれる」を見た。
舞台セットは「犬も食わない」と似て、中央にテーブルと椅子。ただ、このテーブルはスーパーのバックヤードにある控室で、万引きでとらえられた女性と、警察に通報する前に話を聞くスーパーの店員が相対している。
この万引き女は、かつてこのスーパーで働いていた。要するに元同僚に話を聞かれているのだが、万引きしたものをバッグから出してと言われても、のらりくらりと出さないでいる。それどころか、元同僚にさまざまな禅問答のような質問を投げ続けて、はぐらかし続ける。まるで、別役実の不条理劇のようだ。
二人とも、特に万引き女の方は人生に何らかの意味を見つけようともがいているように見える。ラストで明らかになる万引きしたものを見て、そうだったのかなと思った。ただ、物語として胸に刺さるかというと自分としてはそうではない。見ている方が女性なら、何か別の感じ方をしたかもしれないと思った。
客席は前日に比して満席(補助席も使い切っていた)で、終幕時の拍手の力強さもこちらの方があって「犬も食わない」より支持されている感じがする。しかし、自分としては昨日の方がおもしろかった。前作第五章の完成度が高かっただけに、比較してはいけないとは思うが今作は少し残念だった。