美藝公(びげいこう) 公演情報 KUDAN Project「美藝公(びげいこう)」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    夢のような舞台。
    天野さんの演出する少年王者館の芝居は何回か見てたんですが、やっぱり2度3度と見ると最初のインパクトには欠けることと、一時古株の人が次々に辞めてしまったこともあって、なんとなく、最近足が遠のいてましたが、『真夜中の弥次さん喜多さん』があまりに絶賛だったので遅れて観劇。

    ネタバレBOX

    『美藝公』というタイトルの割には、正直筒井康隆の小説との関連は薄くて、むしろ前作の「弥次さん喜多さん」を引きずってるような出だしには、前作見逃した悔しさが増幅されたりもしたけれど(笑)

    映像の中に役者がスルッと入っていくゾクゾクする感覚。
    あっという間に季節が変わっていったり。
    破れた障子が一瞬の暗転の後には元に戻っていたり。
    口から出まかせがそのまま本物になっていくバカバカしさもあって。(^_^;)
    天野さんの真骨頂、というべき、野田さんとは一味違った言葉遊びも健在で。

    王者館だなあ、と思ったのは、オープニング。
    何もない舞台のツラにストンと幕が落ちて、映像が写っていたと思ったら、あっという間にコタツがあって、三方が障子で、引き出しまであるセットが登場してる。
    しかもご丁寧に床まで貼ってあるし・・・。
    転換、というよりマジックだよ。
    タバコを吸ってた、と思ったら次の瞬間には消えてるし。
    箱から声がした、と思って空けたら白い粉が出てきて。

    圧巻だったのはラストシーン。
    暗転の後にまた舞台は何もない空間に戻った、と思ったら、舞台上に障子が1コマ分だけ落ちていて。
    二人が拾って手に取るとそこに後ろから、同じように障子を持っている2人の映像が映されて。
    その小さな二人が去っていった後、現実の二人も同じように去っていく。
    ちょっと涙が出るくらい、美しいラストでした。

    小説の『美藝公』が、映画が中心の社会を描いてちょっと社会を皮肉った話なのに比べて、この『美藝公』は、映画の世界から芝居の世界に落とされ(笑)、映画に戻りてえなあ、とグダグダいう話なのにも関わらず、芝居への思いが溢れてる気がしたのはなんなんだろう?
    芝居ってなんなんだろ?と思うとこもあり、でも芝居をネタにした笑いは妙に笑えた。
    よくよく考えてみたら、筒井康隆さんって、同志社小劇場のOBで、ようするにヨーロッパ企画の先輩に当たるわけで、芝居とか映画とかを愛してるとこって、根っこで繋がってるのかも。

    惜しかったのは、途中のタップダンス。
    ちょっとぎこちなくて、そこだけ素でみちゃったんですよね。(^_^;)
    特に寺十吾さん。
    あれ、もうちょっとなんとかならんかったかなあ・・・残念。

    何はともあれ、舞台がこんなにも楽しく美しい場所であったと改めて気づきました。

    あんな美しい舞台を私も作りたい、と、麻薬のように思わせてくれた舞台でした。

    0

    2007/06/05 19:27

    0

    0

このページのQRコードです。

拡大