満足度★★★
同日鑑賞
「冬のユリゲラー」の改訂版。この作品とは付き合いが長い。2002年に京都の劇団であるヨーロッパ企画が東京に初登場したときに見ているし、2年前にも回顧上演されている。テレビでも何回かに分けて連続ものとして放送された。そのほか2002年の舞台版のDVDを買って2度見ているし、きょうの観劇のあと、勢いで本広克行監督の映画版も同じ日に見てきたので、いろんなバージョンをひっくるめるとトータルでは7回見たことになる。
歌でいえばスタンダードナンバー、劇団の演目としてはレパートリーといっていいのではないだろうか。これだけ繰り返し見ても飽きないというのはもはや古典落語のネタに近い。
今回の舞台版「曲がれ!スプーン」は、改訂されているとはいえ、これまで舞台で上演されてきた「冬のユリゲラー」に近かった。一方、映画版はそれに比べると改訂の度合いがかなり大きい。長澤まさみという有名タレントが主演しているぶん、そちらの顔を立てるかたちになっている。正直なところ、映画版よりも舞台版のほうが面白かった。
舞台と映画に同じ役で出ているのは諏訪雅と中川晴樹の二人。映画で見る諏訪が異様に太っているのがちょっと不気味だった。それと映画では役者の顔のクローズアップがけっこう多くて、舞台では小さく、いつも同じサイズだったのがスクリーン上では3メートルくらいに膨らんでいるのも気持ち悪かった(笑)。