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青春日和
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公演情報
都立王子総合高校演劇部「
青春日和
」の観てきた!クチコミとコメント
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ハンダラ(10487)
実演鑑賞
満足度
★★★
自分の高校時代とは隔世の感がある。
ネタバレBOX
高校の演劇部作品。出演者の殆どは1,2年生、3年生は1名のみだったが、受験もあるから当然だろう。自分は1970年に高校を卒業した。都立高校出身であるから学生運動は高校生の時からやっていた。入学した年は初めて学校群制度が導入され自分の育ったエリアは第2学区だったので都立高校で東大進学率が高かった新宿・戸山に割り振られた者達に大きな不満は無かったが同じ22群であるにも拘らず桁違いに東大合格率の低かった青山に振られた連中はその時点で絶望しており、結果的に全学封鎖を決行した。学内で最初に扇動した連中は要領よく向きを換え受験準備に余念無かったが引っ張られた連中は、学内のスパイ、イデオロギー対立によるぶつかり合い、大人との対立、裏切りと信じようとする心の相克等から個々人は疑心暗鬼と不安に陥り、独りぼっち、各々が石ころのような精神状態に追い込まれた。生徒の学校側に対する不信は頗る強くバリ封に対して導入された機動隊との衝突に傷ついた者も多かった。こんな状況の中、造反有理、革命という言葉は日常茶飯であり、無論距離を置く生徒達も居たが活動家とそのような生徒は完全に分断されていたし、大人達に対する不信感も決定的であった。自分の親友はこんな状況の下自殺してしまった。このような個人的体験からみると、今作に登場した高校生たちは余りに従順で、大人の敷いたレールの上を殆ど反抗せずに歩いているように見えた。行儀は良いが覇気を感じることもなく、仲間に弄られることも肯んじている。男子も殴り合いの派手な喧嘩は好まないようだし、ぶつかり合いそのものを避けている気がする。もしそうであれば、余り面白い作品は生まれなかろう。一歩引いて静かでも味のある作品が生まれる為には、世界で起こっている小さな声の圧殺にキチンと耳を傾け、一度はそのような世界に飛び込んで実地の体験を踏む位の覚悟がなければ本当の作品は創れない。間の採り方がなっていないのは、そのような真の経験の不足からである。表現する人間を目指すなら本気で、周辺に排除される弱者の生の生活を見、彼ら、彼女らの小さく弱い声をキチンと救い上げて作品に活かせるだけの的確な知識、配慮できる人間的広がりが少なくとも二十歳までに必要であろうから、そういった射程で物事に対処する必要がある。因みにこの程度のことをするには、既に過ぎた十四歳の頃、即ち子供から大人への過渡期を終えていることが前提であることは言う迄も無い。それが出来ているという前提で子供心を忘れないことも表現には肝要なのである。
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2022/10/04 16:15
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