実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2022/10/01 (土)
シアターグリーンにて劇団アルファー『陽炎』を観劇。
出演キャスト総勢29名。久しぶりに大所帯のお芝居を観たような気がします。少人数で何役も回す作品も面白いですが、こういった大所帯の作品もこれはこれで面白い。とても見応えがありました。
劇団アルファーさんの作品を拝見するのは初めてでした。今回は劇場のラックに置かれていたフライヤーが目に留まり観劇を決めた訳ですが、劇団のホームページを拝見すると2000年に設立された20年以上の歴史がある劇団さんのようで、まだまだ未見の劇団は多いなぁと改めて感じさせられます。第38回公演となる今回の作品は終戦から一年の銀座を舞台とした人情劇。キャストの賑やかさに加え、焼け野はらとなった街、そこに佇む元蕎麦屋、そしてその蕎麦屋の店内と、何度も転換される大掛かりな舞台セットの豪華さに、つい夢中になって観てしまいました。非常に丁寧にこだわって作られている本格的な作品で、最後まで見飽きることがなかったです。令和の日本において、戦争はすっかり過去のものと感じますが、世界に目を向ければ決してそうとも言えないですし、日本においても戦争経験者が年々少なくなっている状況ですので、今回の劇団アルファーさんの作品ように、演劇を通して戦争を伝えていくということは有意義で価値があることだとつくづく感じます。この時代の経験があったからこそ、今の平和な日本がある。忘れてはいけないことだと思います。
テレビでもご活躍されている山田邦子さん、大鶴義丹さんは今回の舞台においても安定の存在感がありましたが、その他の演者さんも皆お芝居のクオリティが高く、素晴らしかったです。中でも桜役の榊原のり子さんは孤児という難しい役どころを好演されていたように感じました。役のインパクトもあるかもしれませんが、潮見勇輝さん、乙葉るなさん、サムライ長次郎さん、臼間香世さんも印象に残りました。