クロスフレンズ 2022 公演情報 LOGOTyPEプロデュース「クロスフレンズ 2022」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    面白い、お薦め。
    謳い文句…「全編を90'sを代表するJ-POPのヒットナンバーで綴るミュージカル」 楽しんだぁ!
    アメリカン グラフティのような、当時の世相などを点描しつつ、ハイスクールに通う女子3人の青春と友情を瑞々しく描いた物語。スタイリッシュな舞台美術、キュートな魅力の女性、90'sポップな音楽、そしてシャープなダンスで観(魅)せるミュージカル。そのエンタメ性、クオリティの高(良)さは幅広い年代で楽しめるもの。
    (上演時間2時間 途中休憩なし)

    ネタバレBOX

    舞台美術はダイナーの外観を思わせる造作。上部に「NO STOPPING ANYTIME」と掲げられた看板。上手に金網柵、外階段が付いており屋上へ、下手は店内のカウンターと赤い腰高スツールが置かれ、なんと外には梯子が掛けられている。劇中ではその梯子を上るシーンもある。
    店内はいくつかの柱があるだけで広い空間、そこを何と自動車が走(通)り抜ける。劇場に入るなり、そのスタイリッシュな造作に観(魅)入らされるだろう。

    本筋は、ハイスクールに通う女子3人の青春と友情の物語。優等生のアン(橋本愛奈サン)は、卒業後の進路に迷っている。そんなアンの気持も知らず親友ベティ(菊池愛サン)とクリス(平松可奈子サン)はラスベガスへの旅行を計画。謎の悪女デボラ(今泉りえサン)は、偶然出会ったアンに「運命の出会いって信じるか」と問う。日常…ハイスクールという多感な年頃、親友と呼べる友と出会えた喜び、そして他愛ない会話が積み重なっていく。同時に卒業後の進路は、その明確な目標が見つけられない不安定さ。言いようのない不安と希望ーそんな時のカルフォルニア(ロサンゼルス?)からラスベガスまでのドライブー日常にちょっとした非日常が入り込み、そこでの出来事、出会いが その後の人生に影響を与えたかのような。
    劇中でも言っていたが、人は一人(孤独)では生きられない。そこに「深み」より「温かみ」に重きを置いた公演という印象を持った。それ故 心地良さがしっかり伝わった。

    脇筋になるいくつかの話が、説明にある 珍しい昆虫を探す少年、麻薬捜査官とFBI、ツアー初日前のドラァグクィーンたち、正体不明の強盗夫婦、借金まみれの逃亡者、恋に落ちた結婚詐欺師…それらの小話が絶妙に絡み合い、ラストは旧ルート66沿いのひなびたダイナーに集結する。本筋と脇筋はしっかり組み上げず、緩やかな関係性に止めている。そしてラストの銃 乱射は幻想か幻覚といった夢落ちのようで、後味を悪くしないためか。
    それぞれに見え隠れするのが、ヒッチハイク、ドラッグ、銃、LGBTQ、同性愛、詐欺などアメリカ社会(の世相)と思われるような出来事。ハイスクールの女子には 一見無関係な事を絡めることによって、紛れもなくその時代・社会に生きていることを知らされる。優等生で教科書にある(歴史的)出来事は知っていても、実社会ではあまり役立たない。この旅で出会った人々や出来事、その意味の大きさが…。

    脇筋としたが、丸テーブルや椅子を持ち込んで きっちり描く。もちろんワンシーンではなく、それぞれの物語の役割で紡ぎ、それが相互に関連し繋がっていく。役割とは形の違いはあるが、「出会い方」を表している。
    演出の巧さは、場転換や強調に必要な場面では歌やダンスで印象付けをする。もちろん照明も多彩である。ミニアクションやダンス、そしてドライブシーンが絶妙に絡み合いテンポよく展開し飽きさせない。
    次回公演も楽しみにしております。

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    2022/09/30 14:05

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