世界が朝を知ろうとも 公演情報 劇団papercraft「世界が朝を知ろうとも」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★

    Aチーム

    存在意義を喪失すると、その人は“虫”になってしまう世界。カフカの『変身』なんかを連想し、頭の中にはスターリンの『虫』なんかが流れてくる。
    「虫になったらよろしく」

    A 葛堂(かどう)里奈さんの独り芝居。小4の時、保健室で先生が気付くと虫(コオロギ)になっていた。パニックで踏み潰してしまったトラウマ。「虫になんかなってたまるか」と生きてきたつもりだったが・・・。篠原涼子に小雪を混ぜて不幸にした感じの雰囲気、熟練した技術。彼女はラブホに向かっている。

    B 女子大生2人がラブホで秘密の作業。お互い四年で進路もちらつく。井上向日葵さんと清田みくりさん。

    C 久々に訪れたラブホで深刻な痴話喧嘩。前田悠雅さんと緒形りょう氏。前田悠雅さんはハーフっぽい。木の実ナナの若い頃を感じさせる。

    ギターをぶら下げて突然登場する紫野さんがカッコイイ。これならもうずっと部屋の片隅でギターを弄っていた方が良い。

    ちなみに『前田悠雅バースデーイベント2022』会場・渋谷DESEO mini 2022/10/23(日)のチケットは絶賛発売中。

    ネタバレBOX

    人間が虫化する為、全ての虫の採集や売買は禁じられている世界。この設定が判り辛い。特殊な虫として別種にすべき。そうした方が“人間虫”が商品になる、非合法な基盤が出来る。どれだけ罪が重いのかもよく解らないので女子大生の口論にも深刻さがない。警察ではなく、被害者の家族に報復されるべき。

    葛堂里奈さんのイカれた旦那は登場させた方がいい。
    逆に前田悠雅さんのネタは独り芝居の方が合うのでは。
    三つのエピソードが交差しないのであればラブホ縛りの意味もない。

    演出を別の人に託した方が良い。笑いのセンスがなさすぎて、地獄のような会場。ネタ自体は馬鹿馬鹿しくて結構笑いをまぶしているのに、お通夜のような重苦しい雰囲気が延々続く。テンポよくリズミカルに演ればこんなに長くはならないホン。前田悠雅さんと緒形りょう氏の痴話喧嘩も早回しで充分。女子大生二人のエピソードは本筋に絡めるべき、これじゃ只の引き延ばし。散々笑わせておきながら、ふっと憂鬱で残酷な世界と向き合わせゾッとさせるべき題材。ワークショップじゃないんだから、役者のナルシシズムなんか誰も興味ない。

    実は狂った女の妄想だった的な匂わせもあるが、それも要らない。

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    2022/09/28 23:49

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