アワード 公演情報 ZIPANGU Stage「アワード」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    笑い至上主義
    自分の持ち場では、ここぞとばかりに主張を強めるというのが、ここのやり方なのだろう。それがオーバーすぎるのだが。
    ま、簡単に言えば、ドタバタ色が強すぎるというところだろうか。
    そこが少々しつこく感じてしまったが、そういうものだと思ってしまえば、あとは楽で、最後まで飽きずに観られたのは確か。

    ネタバレBOX

    「ブンガク」とか「ブンガクの賞」というのは、ドタバタのための舞台であり、そこ対して何か思い入れとか、考えがあるようではなく、作家という存在そのものも、「普通の生活ができない人」のような、まるで大昔のイメージのまま。
    さらに賞取りレースのドタバタも、あくまでもコメディの範疇を出ず、リアル感には乏しい・・・そういったリアリティだの思想だのは、どうでもよく、まずは、笑えること、笑いが中心にあることが大切なのだろう。
    しかも、わかりやすい、ということも大切にしている。

    わかりやすさと言えば、各キャラクターがくっきりとしている。まるで、太いマジックで輪郭をなぞったぐらいにキャラがくっきりしていてとてもわかりやすいのだ。
    くっきりしたキャラが、そのキャラ通りに動くというわかりやすさ。

    ただし、ホテルのウエイターの夏目は優柔不断な、一歩前に出ないキャラなのだが、結局はどうなりたいのかが、本人は決断したと言うわりにはグラグラしすぎだし、同棲している恋人がいるのにもかかわらず、あっさりほかの女に心を奪われるのも、なんだかなぁと思うものの、それも笑いのためにそうしました、と思えば、ま、それでもいいかと思う。

    とにかく笑いが最優先になっていつつ、ストーリーもきちんとあるというところがここの特徴なのだろう。しかもほとんどの登場人物が、極端に戯画化され、かつハイテンション。

    ただ、殺人事件が絡むのはいいとしても、登場人物の中から犯人が出るというのは、コメディ(しかもドタバタコメディの)の楽しさを削いではいないだろうか。
    犯人探しの中で、疑わしい人が次々と変わりつつ、観客が「こいつは犯人か」と揺さぶられつつも、結局は、別にいた(登場人物以外にいた)、もしくは、単に小説の中の話だった、でもよかったように思える。
    結局犯人だった編集者が「犯罪をしても賞を取りたかった」という台詞だけで、犯人とせずにここの部分の要件は足りたと思うのだ。

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    2009/11/24 03:27

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  • tetorapackさん

    コメントありがとうござます。

    私もtetorapackさんのコメントを読んで、特に夏目の設定など思わず、「そうそう」と思いました。あのブレ方は・・・ねえ(笑)。

    この舞台のテンションは、tetorapackさんがあまりお得意でないほうだと思います。ですから、厳しい評価になるだろうなあと思ってましたが、それなりに楽しんだということで、よかったです。

    2009/11/25 03:21

    tetoraです。

    なるほど、なるほど。興味深く、レビュー拝見しました。

    >わかりやすさと言えば、各キャラクターがくっきりとしている。まるで、太いマジックで輪郭をなぞったぐらいにキャラがくっきりしていてとてもわかりやすいのだ。

     太いマジック、うまいなぁ、表現が。よく分かります。

    >ホテルのウエイターの夏目は優柔不断な、一歩前に出ないキャラなのだが、結局はどうなりたいのかが、本人は決断したと言うわりにはグラグラしすぎだし、同棲している恋人がいるのにもかかわらず、あっさりほかの女に心を奪われるのも、なんだかなぁと思うものの、それも笑いのためにそうしました、と思えば、ま、それでもいいかと思う。

     まさに私は「笑いのためにそうしました」的な臭いをプンプン感じてしまいまして……。まあ、そう割り切れば、それはそれでいいと思います、私も。面白くない訳ではありませんし。
     まあ、私は引いてしまったのは事実ですが(笑)。

    >ただ、殺人事件が絡むのはいいとしても、登場人物の中から犯人が出るというのは、コメディ(しかもドタバタコメディの)の楽しさを削いではいないだろうか。

     なるほど、なるほど。さすがアキラさん。それは言えますねぁ。私なんぞは前半は苛立ちや引き気味でしたが、「この作品は、こういうドタバタ劇なんだ。だったら楽しまなくちゃ、損」と割り切ってモードッチェンジしてからは、推理ネタも入ってきたので、まあまあ楽しめたのですが、でも、どこか引っかかっていたのですが、アキラさんのレビューを読んで、それが自分の中でスッキリしました。やはり、この点だったのです。
     「コメディ(しかもドタバタコメディの)の楽しさを削いではいないだろうか」。おっしゃる通りです。賛成!!

     まあ、究極的には、楽しんじゃった方が勝ちですよね。私もそうして楽しんじゃったですが(笑)。

    2009/11/25 00:17

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