15 Minutes Made Volume7 公演情報 Mrs.fictions「15 Minutes Made Volume7」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    「15分」の意味
     洗練された15分。本当にやりたいことの詰まった15分の連続。大満足。
     

    ネタバレBOX

     各団体が15分で行う演劇。僕はvolume5と今回しか観れていないのだけど、なんとなく多くの団体が「15分の試食」感覚で劇を作っている気がしてしまう。
     本当にやってほしいことはそれじゃなくて、しっかりとお金を払って、一本の舞台を観るつもりで会場に足を運んでいるのだから「15分でしか伝えられないこと」を観てみたい。
     時間というのは必然のものであると考えるので、できれば公演時間みっちりと伝えたいことで詰め込んで欲しい。無駄なものを削ぎ落として必要なものを繋いで、それで出来上がったものならば、例えそれが5分でも、3時間でも6時間でも文句はない。それがどれだけ難しいことかもわかるけれど、本当に「時間」というものを前面に押し出す企画ならばもう少しその部分に目を向けて欲しいと思う。わがままかもしれないけど。
     少なくとも観客は切り貼りして編集して15分にさせられた演劇を観たいのでは決してない。
     15分という時間でしか伝えられない何か。15分で見える何か。それが求めるものなのだ。
     僕はこの企画が大好きなので、逆に15分で出来ることをやる、という感覚がすごく嫌だ。本当に必要なら各団体にいくらでも時間をあげて総公演時間が一日だろうとなんだろうとそれでいいと思う。15分しかないからなー、という手抜きや諦めというかがなんとなく目に付く部分もある。観客の評価もそうなってしまう。それが悲しい。
     色々な団体の宣伝やお試しや出会いや、そういった要素も確かにある企画だと思うが、少なくとも僕が本当に求めているのはそういった馴れ合いじゃなくて、洗練された15分の連続。
     この先もその連続を観たいからこそ考える。このまま15分という時間制限を無駄にしてはだれていってしまうと思う。せっかくの素敵な企画なので、そこだけ気になってしまった。


     各団体の感想。

    ・夜ふかしの会
     最初の停電コントといい、うまく場内全体を使ってくれてそれが楽しい。はとこの話も映像をうまく使ってオチをつけてくれるし、これは確かに舞台というかライブでその場にいなくては味わえない面白さだと思う。やっぱり一番好きなのは停電コント。

    ・国分寺大人倶楽部
     あの空気というか空間は好きだったけれど、15分でしっかりオチをつけられる話しでもないと思うのでその時点で不利。狙っているのかもしれないけどなんとなく不完全燃焼だった。
     ラブシーンを描くのはいい、でも今回の生々しいラブシーンが本当に必要だったのかは首をかしげる。リアルに描写して自己満足したいだけと違うんかと思ってしまう。別にこの話この人たち、に限ったことじゃないんだけど。少なくとも今回は「あーあー、始まったよー」としか思えなかった。惹きこまれなかった。あそこで惹きこんで欲しかった。
     設定と空気が好き。

    ・モエプロ
     二次元の萌えを三次元にする、そしてベタ、というのがいい。ベタだからこそ面白いし、それが真剣に進んでいくから面白い。ただどこかでセーブをしないとただの寒い自己満足になってしまう。二次元の形骸化した萌えを三次元に起こすのならば、萌え、という存在を露悪的に描いて欲しかったかもしれない。15分でお腹いっぱいという感覚。これをずっと観続けるのはちょっと苦しい。

    ・Mrs.fictions
     回る回る、セリフも世界も。僕はこういう独白の連続があまり好きではなくて、説明台詞の連続にうんざりするのだけど、今回は役者がうまい。ぐいぐい引き込まれるし、説明台詞がすらすら入ってくる。それでいて各キャラクターがしっかりと生きている。フリーターの男の延々歩く道や、女の開けるドアや、光で演出されていてそれが素敵だった。
     難を言えばオチが好きじゃない。もう少し別の昇華の仕方がなかったかと考える。

     急いで書いたらなんか文句の連続になってしまった?
     でも大好きだしどれもはずれ無しで面白かったんですよー。それは確か。

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    2009/11/20 08:43

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