ブロークン・セッション【公演終了・ありがとうございました】 公演情報 elePHANTMoon「ブロークン・セッション【公演終了・ありがとうございました】」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    歯車の狂いは次第に大きく。。。
    ある事件に遭遇した被害者・加害者の人生の歯車は狂い、その狂いは次第に大きく、とめどなくなくなっていく様を描いた作品。

    ネタバレBOX

    猟奇的な幼児連続殺傷事件を引き起こした加害者の青年とその家族、および被害者遺族を中心にストーリーが展開。遺族は、賠償金を支払えない加害者に対して、ある男性からの提案によって、加害者に対して殴る・蹴る・凶器で傷つけるといった加害行為を行うことで、賠償金の代償にしている。そこに、加害者の青年の妹の彼氏で、本件を題材に、ドキュメンタリーを撮影したいと申し出る男とその後輩、また、本スキームを活用し、体で代償を支払おうとする同級生を殺害してしまった女子高生とその母親がからみ、進行される。

    事件をきっかけに、登場人物の人生の歯車は狂い始め、その歯車の狂いはとめどなく大きくなっていく。

    ごく一部の登場人物を除き、ほとんどの人物は次第に人格がゆがみ、善悪の判断さえつかなくなっていく。まるで、サイコパスの集団でもあるかのように


    当劇団は所見であったが、最初から最後まで気持ち悪さ・居心地の悪さを感じさせる舞台であった。その感覚こそがこの劇団の持ち味なのであろう。終演後、一切の拍手がない舞台がそのことを強く印象つけた。
    出演者が、それぞれの不気味な役をそつなくこなし、常に緊張感のある舞台であったし、設定も大変興味深いものであった。
    脚本に一つだけちゅうもんをつけるとすれば、なぜ、自殺した人物の遺体を切り刻まなければならなかったのか、また、そのことに快感を覚えた人物たちが次から次へと「仲間」を殺害しなければならなかったのだろうか。
    自殺した人物の遺体を「仲間」全員で解体する以降のストーリーは不要であったように思う。こうした筋書きとしたことで、物語が安易な方向に流されてしまったのではないかと悔やまれる。
    被害者が加害者になるという設定を突き詰め、かれらの苦悩を中心に再構成した舞台を是非、観たい。

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    2009/11/20 01:47

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