実演鑑賞
満足度★★★★★
隣り合った二つのアパート部屋。
ストーリーが展開するというより二つの生活そのものが営まれていたと言った方が全然しっくりくる演出。
しかもストーリーよりもずっと強く感情を揺さぶってくるのだから凄い、何なんだこれは!という感じ。
生活の匂い、凍える寒さにとる暖、無遠慮な会話、人と、家族と生きていくという事・・・
観進めるほどに五感が研ぎ澄まされていく様で、皮膚感覚ごと舞台世界へと引き込んでいくなんて相当。
86歳認知症役の女優さんがカーテンコールでシャンとした立ち姿だったのに何だかホッとなる。まるで別人。
フライヤーの人がリリー・フランキーぽいと思っていたけれど、やっぱりちょっと似てた、と言うかちょっとフランキー似の本物の漁師にしか見えなかった。
これは全ての役者さん然りで「あてがき」なんていうレベルを超えていたのも凄いと思った。