舞台「学徒隊」 公演情報 NPO法人文化活動支援会まつり「舞台「学徒隊」」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★

    観て損はない。
    商業演劇よりNPO法人系の方が腹が据わっている気もする昨今。沖縄戦に強制的に徴兵された学徒隊(14~19歳)を真正面から描いてみせる。アマチュア(?)の弱みと強みが交差するが、これを観劇したことは自分にとって正しかった。描こうとする気持ちが本物。本物の気持ちならどう紆余曲折しても絶対に伝わる。
    プラスチック若しくはポリエチレン粉末を爆撃の表現として効果的に使用。爆音と共に撒き散らされる硬めの粉末がかなりの視覚効果を上げている。後ろからスタッフが粉末を投げ上げていく。役者陣の早着替えとメイク直しも凄い。アイディアとDIY精神によって組み上げられた無骨な足場がアマチュアの強みに溢れている。トラブルも多発、だがそれも良い。役者陣の気持ちが焔(ほむら)となってゆらゆら揺らめく。

    第一幕は1944年10月10日沖縄大空襲まで。
    第二幕は学徒隊(鉄血勤皇隊)として沖縄戦を戦う面々。

    主演の若菜さんが柴咲コウ系の抜群のルックスで目立つ。
    W主演の加藤郁海(いくみ)氏も一本筋の通ったキャラクターを表現。
    石川鈴菜(りんな)さんも何かたかみなっぽくて良い。
    口が大きいことを弄られていた、渡辺菜々子さんも印象的。
    小沼雪乃さんをどうしても出したかった訳も伝わる。
    図体のデカいヒール役の男も見事。
    手に障害のある女優のシーンも記憶に残る。

    ネタバレBOX

    沢山の登場人物が恋と喧嘩の学校生活を送る日々。種々雑多なエピソードは空襲によって強制的に終わらされる。男は銃を持ち、女は看護助手に。泥沼の地上戦の中、殺し合い気が狂い暴力に塗れていく。主演の二人はメモ帳に日々の日記を綴り、いつか再会した時に交換しようと約束している。それを書いている時だけが正気に返る時間、人間性をどうにかとどめようと。

    ラスト、再会した二人は何処かに隠すつもりだったメモ帳二冊を小さな女の子に託そうとする。自分達の生きていた痕跡をこの世に残す為。しかしそれは叶わず、銃殺される。
    その海岸にひ孫を連れて今日も手を合わせているお婆さん(小沼雪乃さん) 。ひ孫は「何故いつもここで南無南無するの?」と尋ねる。「昔、あなた位の歳の時にここで殺される兵隊さんを見たんだよ。何処の誰だったかも判らない。でも私がその兵隊さんのことを忘れてしまったら、その人は何処にもいなくなってしまうだろ。一体どうしたらいいのかねえ。」

    0

    2022/09/10 06:08

    0

    0

このページのQRコードです。

拡大