15 Minutes Made Volume7 公演情報 Mrs.fictions「15 Minutes Made Volume7」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    人柄のいい作品たち
    悪意とかのない作品ばかりだったので、作風はみんな違うのに、なんか全体に一体感のある気持ちのいいプログラムでした♪

    ネタバレBOX

    【こゆび侍】

    会話のなかに織り込まれた単語から、少しずつ「メデューサもの」ということが解き明かされる過程がまず魅力的で。目をみた相手を石にしてしまうので、互いに視線を交わすことなく、つねに相手を強く意識しながら生活する夫婦の話、というだけでもう切なくなってしまう。おそらく、その日々の営みだけを15分間描きつづけたとしても満足してしまったことだろう。幸福な結末も心地よかったなあ。ただ反面、そこに向かうためには、「たとえ石になってもいいから相手とみつめあいたいという激しい熱情」は欲しかったかも? あるいは、「あえてギロチンという極刑を覚悟してしまうほどの、差別されている側の積もりに積もった憎悪」もより鮮明だったらなあ。さらに、省略された「石化」されるところも具現化されてれば、なんて要求もたくさんあるんだけど、つまりは、もっとじっくりと、長編として観てみたくなった! というぐらい好みな作品でした♪

    【モエプロ】

    なんか勝手に『三月のライオン』的な将棋ものかと思ってたら、弓道系袴モノで喜ぶ(笑)。そしてツボに入ってしまい、6本のなかで一番笑った。欲をいえば足袋とカケ(馬手、右の引き手につけるグローヴみたいの)は着用して欲しかったかなあ。あと、やっぱり「荒城の月」と名付けるならもっと終盤まで冷たさは維持して欲しかった。態度と言葉が離反する感じで。そして、最後の溶ける落差がみたかった…。また、ライオンにも荒々しさを求めたくなったように、漫画・アニメ的な記号で終わらせないで、もう少しだけ丁寧な立体化がなされていたら、即座に本公演にも馳せ参じたのだけど。

    【ゲキバカ(劇団コーヒー牛乳改め)】

    惑星ピスタチオ的なパワーマイム。小林賢太郎的な細かい小技も効かせつつ、どのシーンも丹念にわかりやすく綴るのだけど、反面、ややもったりした印象もあったので、最後、高速で繰り返しそうな雰囲気があったときにはゾクッときた。なので本当は、会話なし省略多数の身体だけの数分でのダイジェスト版をそのまま観たかったなあ。息を切らしながらそれでもさらに3回目に挑もうとする、とかがラストだと好み。でも、ゲキバカという改名に好感の抱ける作品でした!

    【夜ふかしの会】

    一本目の暗転使ったコントが秀逸だったので、なんとかそれで15分もたせられなかったのか、とは思う。少なくとも、次にどうなるんだろうという観客のワクワク感を二本目、三本目でも持続、あるいは有効転用できていたらなあ。もったいない。

    【国分寺大人倶楽部】

    【モエプロ】のあと、休憩挟んだら、急にアダルトになって戦く(笑)。エロくみせる手法の巧みさには“舌を巻く”、と自分で書いた言葉にすらなんだか“いやらしさ”を感じてしまうほど、ほんと上手かったなあ。構成的にも決まっていたんだけど、じつは順序が逆で、あのエロいシーンを作るためにああいう物語になったのではと思うぐらいで、なんか徹底していて素敵。あと、作・演のウコンの力はずるい!w というあたりも含めて、すべての登場人物に親近感を抱いたり、ときとして愛おしくなりすらような仕掛が随所に施されていて高評価も、じつはかなり苦手な作風だったりするんだよなあ…。

    【Mrs.fictions】

    他がみんな、伝わりやすい物語や笑いの多い作品だったこともあり、この並びはかなり厳しく。主宰劇団が最後を締める、ということに意味はあるにせよ、15分間のスペシャリストとしては疑問符が。全体の流れもあってこちらの気が緩んでいたせいもあるんだろうけど、語り口の違うモノローグとかふわっとした役者の入り方とか、きっといつもなら楽しめたような部分も観ていてこぼれ落ちてしまったのは、残念。

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    2009/11/16 08:58

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