実演鑑賞
満足度★★★★★
第二次世界大戦末期、沖縄戦に従軍した學徒隊の平穏な日々と過酷な日々を対比するように描いた力作。端的に言えば平和と戦争、そして鎮魂である。繰り返される凄惨な場面、しかし 当日パンフに「現実はより過酷で凄惨であり 再現など到底出来ない」とある。物語は平穏な日々と従軍の日々という二幕であるが、一幕目が少し冗長に思われる。しかし、それは二幕目との(上演時間)バランスのようでもあり、どうすればという言葉が見つからない。むしろ、平穏な日々を描き込むことによって、戦争の不条理が浮き彫りになる。公演の魅力は、舞台セット、照明・音響といった舞台技術の効果的な演出によって印象付ける巧さ。勿論、約40名の役者の熱演に支えられている。ラストは、観客に考えさせるような投げ掛けだが…。
(上演時間2時間40分 途中休憩15分含む)