実演鑑賞
満足度★★★★
「象」に変態化していく一人暮らしのお父さん。
客演 中村まことさんの魅力がフル稼働
その凄味ある怪演っぷりに思わず笑ってしまったり、思わずビビッてしまったり
これって古い価値観の権化だった老人の不条理な末路にも思えるし、本人的には変わっていく姿に無自覚だったところから認知症を思わせるところもある。
この現象を「人前にはとても出す事ができなくなった父親」と置き換えて観ても興味深いのだけれど、とにかく着実にお父さんは象(老獣)へと
渋々東京から駆け付け、唖然とする次男(本作の主役)そして彼の恋人。
父の希望に叶った生き方をしてきたはずの長男。
父が暮らす家のお隣さん親子(まだ異変に気付いてない)
決して多いとは言えない登場人物なのに、それぞれの反応・言動から滲み出る人間性が観るに充分なほど多岐にわたっていて、じっくりと味わいのある物語になっていくのでした。