演劇/大学09春「近畿大学『少女仮面』」◆フェスティバル/トーキョー 公演情報 フェスティバル/トーキョー実行委員会「演劇/大学09春「近畿大学『少女仮面』」◆フェスティバル/トーキョー」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    初演に思いをはせて
    もっと早く書きたかったんですが、団体名キーワードをフェスティバルやトーキョーで入力しても検索に出てこないもので見逃してしまってたんです。
    秋公演を観たいに登録したので、さかのぼって書くことにしました。
    初演の「少女仮面」は吉行和子、白石加代子によって演じられたそうです。
    今回の公演を観て、初演を観たかったなーと思いました。
    吉行和子は当時、反新劇のノロシをあげていたアングラ劇に出ることを決意して「民藝」を去ることになったのです。
    新劇界の重鎮で民藝の主宰であった宇野重吉が「そんな芝居に出ても何の得る物もないよ」と大反対したそうです。宇野の秘蔵っ子として「アンネの日記」の主役に若くして抜擢された吉行はどんなに悩んだことでしょう。
    この「少女仮面」により、彼女の新たな女優人生が始まったともいえましょう。
    「時はゆくゆく 乙女は婆アに、それでも時がゆくならば、婆アは乙女になるかしら」(「少女仮面」より)
    何と美しいことばでしょう。
    公演に関った学生の多くが、この芝居のテーマは「肉体と心」だと述べている。まさにそう。でも、そのテーマをこんなに素晴らしい劇に仕立てた唐十郎は凄い。
    2008年、「アプサンス」(2010年再演が決定)で舞台を去ることを決意した吉行和子は老女と少女の同居した難役ジェルメーヌをみずみずしく演じました。「アプサンス」も「肉体と心」を描いた作品。
    その記憶が残る中で、大学生たちの「少女仮面」を観たのです。

    ネタバレBOX

    真紅の羽根のストールを肩にかけた春日野八千代(久保田友理)が音楽に
    乗って客席に登場したとき、いかにも唐十郎の芝居らしく、うれしくてワクワクした。かつて渡辺えりもこの役を演じたそうで、それも観てみたかった。
    風呂桶に入って体を清める儀式が行われたり、何だか妙な春日野八千代ではある。春日野八千代は宝塚を代表する男役スターであり、宝塚少女歌劇はもともと温泉浴場の宣伝として発祥した史実をモチーフにした巧い作劇。
    この春日野八千代はもちろんそう思い込んでいる精神を病んだ女で、
    満州での戦争の爆撃がトラウマになっているようだ。
    これも宝塚の満州慰問団の史実とリンクするようで興味深かった。
    終盤、戦地の記憶が交錯する甘粕大尉の進軍の幻想場面に迫力がある。
    喫茶店の客の腹話術師と人形が主客転倒する話や、ボーイたちのタップダンスなど、楽しい場面だった。難波有の人形の演技には感心した。特に人形を人間扱いしないと言って怒る腹話術師や、喫茶店の水道の水だけ飲みに来る男など、昭和には実在した風俗が描かれているのも興味深い。
    メリー・ホプキンの音楽もやるせなくてとてもよかった。

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    2009/11/11 19:14

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  • >tetorapackさま

    ありがとうございました。

    今年の「腰巻お仙」も大いに期待ですね。
    tetoraさんのレビューがいまから楽しみです。

    2009/11/17 02:47

    きゃるさん

     私も春に観ましたが、改めて今、伽ルさんのレビューを読んで、懐かしさが甦ってきました。この芝居、私は凄く気に入ったのです。だから、すごく褒めちゃいました。正直、凄いなぁ、さすが年間を通じて唐さんに指南を受けるなんて、うじゃうじゃある小劇場演劇の公演(東京だけで、毎日200~250もの公演が行われているのです。公のさる筋から聞いた情報ですが)より上手くて当たり前だとも思えました。

     でも、そんな立て分けではなく、いずれにしても、未来を担う若者が演劇に打ち込む機会の増大は、それだけで嬉しいです。

     追伸:メリー・ホプキン、私もレビューに書きましたが、涙が出るくらい懐かしく、この曲を聞けてよかったと思いました。

    2009/11/17 02:35

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