実演鑑賞
満足度★★★★
観(魅)せる”力”のある物語。
テーマは「生きる」といった根源的なところを描いている。一見 ダークサイドを思わせるが、それは見栄やプライドなどを捨て どんな辛苦にも耐え生き抜くという、人の奥底にある生への執着とも言える。全編 薄暗がりで紡がれる。それは 2011年東日本大震災以降、福島第一原発事故等の影響による節電で街灯の灯が間引きされたこと、夜の闇に紛れて仕事をする人々の暮らしを現わしている。
東日本大震災から10年も経たないうちに、今度はコロナ禍で人々の生活様式に変化をもたらす。一時は夜の街の灯りも消え、生活の心配・不安といった焦りにも似た気持が…。しかし、その状況(コロナ禍)はまだ続いている。公演は、そんな状況下においての上演、そこには演劇を通して 明日への夢や希望を抱き続けさせる”力”が漲っていた。
(上演時間2時間 途中休憩なし 脚本演出の林灰二 氏のプロローグ・エピローグ的な会話を含む)