ヤポニア歌仔戯・棄民サルプリ 公演情報 野戦之月海筆子「ヤポニア歌仔戯・棄民サルプリ」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    傑作でした!
    東アジアの諸民族が覇を競う「尖閣諸島」海域を舞台に、亡霊や霊媒、海賊、泥棒、陰謀家、神話の神々が絡み合うマジックレアリズムの劇。
    外国の民間の伝承や神話が深く導入されている。

    ネタバレBOX

    「刑天」という首を落とされたままの中国の戦いの神が、水産工場のパートのおばちゃんに憑依して労働争議に結びつくという場面にはほとほと感心してしまった。
    さらに、戦いの途中で「刑天」が別の女に乗り移り、次の戦いの現場に飛んで行くのだが、ここでのアナキズムとロマンティシズム、フェミニズムの結合ぶりはどうだろうか。
    現実の役者の数や時間に阻まれて完全に展開しきらないのだが、ものすごいポテンシャルを持ったアイディアが無数に炸裂。
    ほか、魚網のダンスなどダイナミックなシーンもすばらしい。
    泣き節が出てくることは出てくるんだが、陽気なツッコミが陰惨な気配をひとつひとつ吹き飛ばしている。
    本年屈指の傑作。

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    2009/11/09 10:13

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