百合の季節 公演情報 劇団朋友「百合の季節」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    前々作「ガラスの家族」も素晴らしかったけれど
    今回の本も人生を長く生きたからこそ出せるキャスト陣の演技力に魅せられ、こういった本を書いた作家にも拍手を送りたい。

    以下はネタばれBOXにて。。

    ネタバレBOX

    5人の老女たちだけが居住するアパートに、ダンディな一人のお爺さんが引っ越してきたところから、5人の老女たちと大家は一気にテンションが上がる!笑
    でもってこのダンディな爺こと三好は女性を褒めて持ち上げるのが得意ときてるから、大家を含めた6人の女性たちは三好に惚れてしまう。しかし当初は独身と自己紹介していた三好の過去が暴かれてしまい、実は三好には別居中の妻が居て、その妻との仲が悪くなったのは死んだ愛人を忘れられずに、いつまでもくよくよしていた三好が原因だったとバレてしまう。

    そんな過去が暴かれた時には、時既に遅し状態で、4人の女性は三好と既に肉体関係にあった。4人の女性たちは自分だけが三好の恋人だと思っていたのに、次々と、「私が恋人よ!」なんつって、挙手するものだから、驚いたのは4人だけでなく三好も、そして観客も!(苦笑!)
    要するに三好は超女たらしだったという筋。  しかしそれだけではない。三好が以前、入院していた病院でも次々と入院患者とデキちゃうものだから、院内でも有名だったという。これまた、苦笑!

    しかし、三好の言い分は、「皆さんが愛おしかったんです。皆さんがどんどん綺麗になって華やかになっていくのを見ながら、離れたくなかったんです。」とのたまう。この三好の言葉には一理あって、確かにここの住人は三好に恋してから、身なりにも気を遣いだして、どんどん綺麗になっていったんだよね。女性も男性も恋をすると綺麗になる!とは本当です!笑

    やがて三好は気まずさから、いつの間にか引越ししてしまい、残された女たちは育てた百合の花を愛でながら、「来年もこうやって皆で百合の花を見ましょうよ。」「そうね、簡単にくたばってたまるもんですか!」と自分自身への応援歌のように話すのであった。

    物語は加齢した女たちが一人の男性によって女に目覚め変わっていく様子を描写しながらもそれを、コメディとして表現したことで舞台は始終、コミカルな空気感が漂って楽しい舞台だった。ともすれば男に騙された女たちとして暗くなりがちな題材を何があっても跳ね飛ばし、逞しく明るく生きる。という人生のバイブルのような本だと思う。笑いながらもしみじみとした場面が多く、このキャストだからこそ人生の深さがより増したのだと思う。

    素晴らしい舞台でした。まったく卒のない、欠点のない舞台。


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    2009/11/08 12:01

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