頭痛肩こり樋口一葉 公演情報 こまつ座「頭痛肩こり樋口一葉」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    2回目。
    第一幕75分休憩15分第二幕70分。

    樋口夏子(一葉)の明治23年(1890年)の19歳から明治31年(1898年)、没後の2年後までをある年の盂蘭盆会(うらぼんえ)、7月16日のエピソードで綴る。(一度だけ例外がある)。

    若村麻由美さん一世一代の当たり役、成仏出来ず現世を彷徨う幽霊、花蛍(はなぼたる)。彼女を観る為だけに足を運ぶ価値がある。両の袂をヒラヒラ振り回し、志村けんのコントのような絶妙な間でとぼけてみせる。名演。

    またやるならば観るだろう。

    ネタバレBOX

    元宝塚トップスター、香寿たつきさんの歌声が朗々と響き渡る。

    私達の心は穴の空いた容れ物
    私達の心は穴だらけの容れ物

    幕は400字詰め原稿用紙。樋口一葉(夏子)の生命が枡目から滲み出してゆく。自分の心の宇宙を可能な限り言語化して最後の一滴まで絞り出す。
    「私は小説で世の中に取り憑いてやった気がします。」

    幕は張り巡らされた網の目にも見える。因縁の糸の網の目に雁字搦めに縛られていく人々。(今作では女性)。誰を恨んでも誰を憎んでもこの構造とこのシステムの中に取り込まれていくだけ。
    「でも私、小説でその因縁の糸の網に戦さを仕掛けてやったような気がする。」
    虚構で現実に戦を仕掛けるロマンティシズム。

    オープニング、5人の女の子達が「ぼんぼん盆の十六日に 地獄の地獄の蓋があく 地獄の釜の蓋があく」と歌いながらお駄賃をねだりに家々を練り歩く。邦子(瀬戸さおりさん)が一厘ずつあげるのだが、その少女達に扮しているのは貫地谷しほりさん、増子倭文江さん、熊谷真実さん、香寿たつきさん、若村麻由美さん!
    第二幕のオープニングでは、夏子(貫地谷しほりさん)のもとに童に扮した瀬戸さおりさん、増子倭文江さん、熊谷真実さん、香寿たつきさんが訪れる。
    早着替えとメイク直しの凄まじさ、舞台裏ではとんでもないことになっているのだろう。

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    2022/08/28 17:07

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