サードパーティー 公演情報 演劇ユニット・リッチ「サードパーティー」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    楽しめました。
    フライヤーからは全く予想がつかなかったお芝居の中身は、共学になった高校の職員室で起こる人間模様を描いた悲喜劇でした。登場人物たち(ほとんど先生)はステロタイプなのにどこかシュール。描かれているのは、学園物にありがちな理想的な教師像ではなく、普通に欠点を持った等身大の人間。

    思えば私が高校の頃は、先生は「大人」で、自分とは異なるフィールドにいるという意識があって。 だから恋愛対象になんて見たこともないし、心を開く気もありませんでした。

    自分が大人になった今は、もちろん先生も普通の人間と思えるので、この感覚のまま高校生活を送っていたら 先生を生身の男や生身の女として見てしまうだろうし、このお芝居のように細かな小競り合いなども見えてしまってそれはそれで面倒くさい高校生活になりそうだな、と。何も知らない子供でよかったです 笑

    そんな風に昔を振り返ることもできる、どこか懐かしい舞台でした。

    ネタバレBOX

    それぞれの先生の、細かい人間臭さが結構ツボで。
    特に、阿佐ヶ谷姉妹のような風貌のマサ子先生。 地味で真面目そうで、いかにも教師と言った風体。 女としての「性」を感じないとか、干物だとか、陰で言われ放題で。 けれど、陰口を叩いた先生の変な噂をわざと女生徒の間に流したり、 自分が心を寄せていた男の心を持っていかれた腹いせに妹の不倫を母親にバラしたり。陰湿にしてブラック 笑

    他にも、目が異様にギョロっとしたバツイチの女教師とか。対人恐怖症なのに人一倍女生徒に興味を持っている先生とか。面白キャラだらけ。

    そんな中で核になっているのが、女生徒とデキているという噂の、安住というイケメン教師。メンヘルの女生徒との関係に悩んでいるようで、実はもっと深い悩みを抱えていて。徐々にその闇が、学生時代からの親友であるタケオ相手に明かされていく過程がちょっとドキドキしました。

    セリフではまったく触れられていませんでしたが、タケオに対する安住の切ない思いが演技から溢れていました。やるせない思いを振り切るようにタップを踏む安住がめっちゃカッコ良かったです。

    星を一つ減らしたのは、面白かったのに声を出して笑える空気ではなかったので・・・。何か一つ、序盤に空気が温まる要素がほしいなと思いました。

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    2009/11/07 01:15

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