追憶のアリラン(8/18~8/26)、無畏(8/24~8/27) 公演情報 劇団チョコレートケーキ「追憶のアリラン(8/18~8/26)、無畏(8/24~8/27)」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    『無畏』
    初演を駅前劇場でフェイスシールド汗ダラダラで観劇。その時は「ここまでやるか」と作家の覚悟に畏れ入る。ちょっと前だったらこの内容はヤバかった。1998年、横浜黄金町のシネマベティでジョン・ウー製作の『南京1937』の上映中、右翼が乱入してスクリーンを切り裂いた。兎に角この手のネタはあれやこれやで潰される。面倒を厭う企業はタブー化して問題を更に深刻にする。ネット全盛の時代、情報はダダ漏れ、隠蔽して封印してしまえば国民は騙されるなんて最早無理。ちょっと知性があれば南京で皇軍が何をしたか?なんてすぐに分かる。
    2度目の今回、「作品として随分よく出来ているな」と感心。判り易く丁寧、無駄な遣り取りを削ぎ落としている。初演から弄ったのかは不明だが、かなり観易い。簡潔に松井石根陸軍大将・上海派遣軍司令官の南京大虐殺に至るまでの罪を暴き出している。
    大量の書籍が机や床に三箇所山積み、椅子の上に積み上げられた書籍も二箇所配置。ただそれだけの簡素な舞台美術だが非常に効果的。
    何故、日本軍は掠奪強姦虐殺放火を大陸中で繰り返したのか?
    当時の兵士達が全てを告白するドキュメンタリー映画、『日本鬼子』(リーベン・クイズ)も観て欲しい。

    ネタバレBOX

    西尾友樹氏が冷徹冷酷に林竜三氏を徹底的に追い詰めるクライマックス。暗闇の中、眼鏡のフレームだけがギラリと光るシーンが印象的。西尾氏はこういう役が本当に似合う。松井石根を抱きかかえてぶん投げる。幼児のように惨めに床に転がされる松井。本当なら三船敏郎のような体格だった方がこの効果は生きた気がする。
    興亜観音に参りに行く西尾氏の姿で終わる。

    松井石根の私設秘書役の渡邊りょう氏がいい味。こういう日本人が一般的だろう。

    0

    2022/08/26 11:07

    1

    0

このページのQRコードです。

拡大